赤川次郎『三毛猫ホームズの闇将軍』

赤川次郎『三毛猫ホームズの闇将軍』

 

ゴミ袋に一億円!?そして、唐突と思える犯行の後、自殺する犯人たち?

自宅アパート前に置かれたゴミ袋。
ゴミ出し日は明日なのに、私が捨てたと誤解されるじゃないの!
彼女は仕方なく、部屋に持ち帰り、明日あらためて自分のゴミ袋と一緒に出そうと思って、ふと中を見たら、・・・

一億円の札束!!??

ところで、もうすぐ、都知事選。
候補者の中で最有力視されていたのは、48歳の人気者だった。
知的で、スピーチが巧みで、ユーモアがあり、語学に堪能。
選挙が始まれば、当選確実と思われていた男だったが、

とつぜん、聴衆の面前で銃殺された。
殺したのは、成功していた青年実業家。
その男も、犯行直後に自分の頭を撃ってしまう。

その都知事候補と、青年実業家に、接点があったとは思えないし、政治的なバックグラウンドも見当たらない。命がけで殺害を実行するほどの理由が、何もないのだ。

急遽、その妻が代打で立候補することになったが、彼女の周辺にも不可解な事件が相次ぐ。

*   *   *   *  *

さてさて。

『三毛猫ホームズの十字路』に続いて、いや正確には間に3冊もありますが、それはさておき比較的短期間で、また、ホームズ以外の動物が登場しました♪
マリナという名前の小型犬です。品種は今回も不明。

マリナちゃんの役どころは、前回のネロちゃんより、重要です。
といっても脇役の脇役であることにはかわりないのですけれど、でも、もしこの作品がテレビの2時間サスペンスとかになったとしても、マリナちゃんは必ず登場するだろうな、カットはできないな、というくらいに重要な役割を務めます。
なんか嬉しいですねえ。
いつも、ヒト以外の生き物といえばホームズひとりで、それも人間に都合よく使われるばかりで、物足りなさというかモヤモヤ感があったのですが、今回は満足です。
三毛猫ホームズと、を前面に出したシリーズなんですもの。
毎回、せめてこのくらいは動物を登場させてよ、って思っちゃいます。

そして、作品全体の印象としてましては・・・

この闇将軍、ご近所の某国の最高指導者を彷彿とさせられました。
人民がどれほど苦労し疲弊していても核開発やミサイル製造を優先させている国。
この作品の「闇将軍」は、彼よりはるかにちっぽけな、スケールも小さな人物ですが、でも、根底にある思想は似たようなものではないでしょうか。

三毛猫ホームズシリーズ

赤川次郎『三毛猫ホームズの闇将軍』

赤川次郎『三毛猫ホームズの闇将軍』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『三毛猫ホームズの闇将軍』

  • 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
  • 出版社:光文社 光文社文庫
  • 発行:2016年
  • NDC:913.6(日本文学)推理小説
  • ISBN:9784334772666
  • 347ページ
  • 登場ニャン物:ホームズ
  • 登場動物:小型犬

 

 

著者について

赤川次郎(あかがわ じろう)

福岡県福岡市博多区出身。1996年度より金沢学院大学文学部客員教授。父親は元満洲映画協会、東映プロデューサーの赤川孝一。1976年「幽霊列車」で第15回オール讀物推理小説新人賞、1980年『悪妻に捧げるレクイエム』で第7回角川小説賞、2006年第9回日本ミステリー文学大賞、2016年『東京零年』で第50回吉川英治文学賞を受賞。多作で知られ、2015年には580冊を突破、累計発行部数は2015年時点で3億3000万部を超えている。三毛猫ホームズシリーズ、三姉妹探偵団シリーズ、幽霊シリーズ、吸血鬼シリーズ他、シリーズ物も多い。

三毛猫ホームズシリーズ

(著者プロフィールはWikipedia他からの抜粋です。)


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赤川次郎『三毛猫ホームズの闇将軍』

6.9

猫度

3.0/10

面白さ

7.5/10

読みやすさ

9.0/10

猫好きさんへお勧め度

8.0/10

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