ダン&ドゾワ編『不思議な猫たち』

ダン&ドゾワ編『不思議な猫たち』

『魔法の猫』続編。

ネコを好意的に描いている作品より、猫のずるさや獰猛性を書いた作品の方が印象が強い。ホラー+ミステリー集とのことだから、仕方ないのかも知れないが。はっきり言って、『魔法の猫』の方が面白い作品が多かったかも。

『猫の創造性』 

フリッツ・ライバー 深町眞理子訳

「魔法の猫」収録「跳躍者の時空」続編。ガミッチは子猫から若猫に成長したが、相変わらず変わった思考の持ち主だ。ちっぽけな頭で非常に哲学的なことを考えている・・・が、どれほど頑張っても、彼は猫に過ぎない。

『つややかな猫たちのジグゾー・パズルに見立てた人生』 

マイクル・ビショップ 浅倉久志訳

私好みの作風とは言えず、あまり面白くなかった。あくまで私にとっては、ですが。

『焔の虎』

タニス・リー 酒井昭伸訳

一時代前に流行った密林冒険物という感じ。虎が登場する。

『かわいい子猫ちゃん』

アイザック・アシモフ 田中一江訳

大金持ちの叔母の遺産をねらう青年は、叔母の飼っている猫を利用することを思いつく。

『猫と話した少年』

ウォード・ムーア 山口緑訳

その子は変わった母親に育てられ、猫と一緒に成長し、人語より先に猫語を覚えた・・・

『ジャガー・ハンター』

ルーシャス・シェパード 小川隆訳

幻影的なジャングル物語。題名通り、ジャガーの話。

『マダム・フロイの罪』

リリアン・ジャクスン・ブラウン 羽田詩津子訳

小品だが、ブラウンらしいミステリー。

『硝子の檻』

パメラ・サージェント 黒田直見訳

ナチス・ドイツの兵舎に潜り込んだ猫が見たもの。

『メイのクーガー』

アーシュラ・K.ル・グィン 小尾芙佐訳

ある年寄りの婦人とクーガーの話。

『草の色、血の色』

R.V.ブランハム 新藤純子訳

かなり悪意に満ちた小品だ。こんな作品をみると、猫を悪魔の使いと見なしていた中世のなごりかと思ってしまう。

『多言無用』

ジョン・コリア 伊藤典夫訳

ストーリー的には、これが一番面白かった。ありふれた筋ではあるけれど。

『パスクァレ公の指輪』

アウ゛ラム・デイヴィッドスン 浅羽莢子訳

これも私好みではありませんでした。

(2003.5.6)

ダン&ドゾワ編『不思議な猫たち』

ダン&ドゾワ編『不思議な猫たち』裏表紙

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

『不思議な猫たち』
副題、シリーズ名など

  • 編:J・ダン&G・ドゾワ(Jack Dann, Gardner Dozois)
  • 訳:深町真眞理子(ふかまち まちこ)ほか
  • 出版社:扶桑社ミステリー文庫
  • 発行:1999年
  • NDC: 933(英文学)ミステリー短編集
  • ISBN:4594027717
  • 369ページ
  • 原書:MAGICATS II; c1991
  • 登場ニャン物:多数
  • 登場動物: -

著者について

ジャック・ダン Jack Dann

1945年生まれ。作家として活躍する一方、アンソロジーの編集にも意欲的に取り組み、高い評価を得ている

ガードナー・ドゾワ Gardner Dozois

1947年生まれ。編集者・作家の両面で活躍をつづけ、特にSF専門誌〈アシモフ〉誌の編集者として名声を確立。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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ダン&ドゾワ編『不思議な猫たち』

6.5

猫度

7.0/10

面白さ

6.5/10

おすすめ度

6.0/10

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