書評:ウィリー・モリス『男の相棒は猫に限る』

モリス『男の相棒は猫に限る』

 

猫嫌いの男が、大の猫好きに変身する物語。

「マイ・ドッグ・スキップ」の作者による猫エッセイ。

「スキップ」は映画になったのでご存じの方も多いと思う。

が、・・・この本の中で暴露された。
「スキップ」は、実は、猫達と一緒に暮らす家を買うために、その資金作りが目的で書かれた本だったそうだ。
そして「スキップ」の発行後、著者は当然ながらバリバリの犬派と見られてしまい、しばらくは「今は猫と暮らしています」なんてとても言えなかったそうだ。

そう、確かにこの著者はバリバリの犬派だったのである。昔は。
猫はあまり好きではなかった、というより、大っ嫌いだった!

が、よくある悲劇が著者に降りかかる。
結婚しようと思った女性が大の猫好きだった、という、お馴染みの奴。

著者の奥さんとなる人はキャット・ウーマンとあだ名されるくらいの猫好きだった。

そして、結末は、これもよくある筋書きとなった。
つまり、著者も大の猫好きに変身してしまったのだ。

一人の良い歳の男性が、試行錯誤しながら、次第に猫に惹かれていき、ついには猫無しの生活は考えられないほどの猫好きになる話である。
最初は猫を犬のように扱い芸をしこもうとした男が、最後には猫を理解するようになる・・・
否、猫を独立独歩の生き物と理解するのだ。

犬は「忠実な友であり」「その行動は予想がつく」が、猫は「なにごとも当たり前と思えないのだ。(猫の)行動を理解しようとしていると飽きない」
つまり、猫は永遠の謎であり、だからこそ楽しいと知るのである。

最後に、著者がどれほど猫を理解するようになったかを、如実に示す言葉が。

・・・ベイリーは「おじさんはどんなことを猫から教わったの?」と聞き返した。
ぼくはしばらく考えてから、こう答えた。
「猫が喜ぶようにかわいがること。猫がぼくたち人間のことを好きなこと。それから猫をあんまり理解しようとしないことかな」
page199

(2004.3.27)

モリス『男の相棒は猫に限る』

モリス『男の相棒は猫に限る』

モリス『男の相棒は猫に限る』

モリス『男の相棒は猫に限る』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『男の相棒は猫に限る』

  • 著:ウィリー・モリス Willie Morris
  • 訳:桜内篤子 (さくらうち あつこ)
  • 出版社:WAVE出版
  • 発行:年
  • NDC:934(英文学)アメリカ・エッセイ
  • ISBN:4872901606
  • 206ページ
  • 原書:”My Cat Spit McGee” c1999
  • 登場ニャン物:スピット・マギー、リヴァース・アップルホワイト、メイミー・ハーパー、他
  • 登場動物:-

 

目次(抜粋)

第1章 筋金入りの犬好き
第2章 猫嫌いがぼくの誇り
第3章 恋に落ちて―彼女の不吉な告白
第4章 ぼくが命を助けた白い猫
第5章 猫は犬の代わりにならない
第6章 降りかかる災難
第7章 三毛猫が仲間入り
第8章 小川のほとりの古い家と七匹の猫
第9章 「よく猫なんて飼えますね」
第10章 スピットと思い出めぐり
第11章 わが家の猫たちの日常

 

著者について

ウィリー・モリス Willie Morris

1934-1999年。ミシシッピ州に生まれる。『マイ・ドッグ・スキップ』のほか、南部へのアイデンティティをつづった『ノース・トワード・ホーム』や編集者時代を描いた『ニューヨーク・デイズ』、フォークナーなどの文芸評論の作者としても知られる。アメリカでもっとも古い歴史をもつ文芸誌の編集長として、戦後のアメリカの文学界とジャーナリズムに多大な影響を及ぼす。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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モリス『男の相棒は猫に限る』

モリス『男の相棒は猫に限る』
8.3

猫度

8.5 /10

面白さ

8.0 /10

猫好きさんへお勧め度

8.5 /10

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