書評:吉田眞澄『ペットと暮らす』

吉田眞澄『ペットと暮らす』

 

ペット先進国、すごい!日本はまだまだ後進国(涙)。

ペット法学会副理事長という肩書きを持つ吉田眞澄氏の著作。
現代社会でのペット(コンパニオン・アニマル)との共生のあり方を、法学の知識を基に書いた本。
ペット先進国の西欧諸国と日本の現状を比較し、様々な問題点を指摘している。

例えば、ドイツ。

飼い犬の総数は470万~510万頭と推定されている。日本は推定1000万頭。絶対数でいえば、日本にはドイツの倍も犬がいることになるし、人口比率から言っても、日本の方が2~3割方も頭数が多い。

にもかかわらず、ドイツの方がずっと犬が多い印象を受ける。町中でも、公共機関の中でも、よく犬を見かけるのだ。犬が社会に自然に受け入れられている。

その根底にあるのが、しつけ方の違い。人口400万弱のベルリンには、推定15万頭しか犬がいないが、犬訓練所は50校もあるという。一度でもドイツに行った人ならわかるだろうが、実際、ドイツの犬は日本人の子供より遙かにきちんとしつけられている。

次に、フランス。

1970年7月9日法によって、フランスでは、こんな法律が。

不動産の賃貸借契約や集合住宅の管理規約の中の、ペット飼育禁止の規約は無効であるとされ、そのような契約や管理規約があってもペットを飼えるとされている(後略)
page 123

だから当然ペットの数は多い。当然糞の数も膨大。 花の都パリの糞害をなくそうと、パリ市は涙ぐましい努力を続けている。

一方日本はどうか。行政はいっさいノータッチ。臭いモノには蓋をするどころか、臭いモノの存在自体、まったく認めていない。だから蓋さえしない。

動物愛護団体やボランティアの人たちが、細々と飼い主の意識向上を訴える程度だ。
その、動物愛護団体も日本のものはどれも零細で万年資金不足の人手不足、活動はたかが知れている。

有名なイギリスの「王立動物虐待防止協会=RSPCA]などは200万人以上のサポーターから年間100億円以上もの活動資金を集めているというのにだ。

日本という国がいかにペット後進国であるか、またいかにペットに対して閉鎖的であるか。
これからますます増えて行くであろうペットの問題をどう扱っていくべきか。

私も飼い主の一人としてもう一度よく考えなければと思わずにはいられない。

(2002.11.8)

吉田眞澄『ペットと暮らす』

吉田眞澄『ペットと暮らす』


吉田眞澄『ペットと暮らす』

吉田眞澄『ペットと暮らす』

吉田眞澄『ペットと暮らす』

吉田眞澄『ペットと暮らす』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『ペットと暮らす』
共生のかたち

  • 著:吉田眞澄(よしだ ますみ)
  • 出版社:人文書院
  • 発行:2001年
  • NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
  • ISBN:4409850016
  • 193ページ
  • 登場ニャン物:
  • 登場動物:

 

目次(抜粋)

  • 序章 人による動物支配の構図と変化
  • 第一章 現代社会とペット
    • 一 ペットブームの光と影
    • 二 ペットブームの背景
  • 第二章 飼い主の責務
    • 一 飼い主に対する社会の眼
    • 二 ベルリンの犬の学校=犬のしつけ教室
    • その他
  • 第三章 社会の役割分担
    • 一 ミュンヘンのペット事情
    • 二 ペットに開かれたまちづくり
    • その他
  • 終章 共生のかたち
  • あとがき

 

著者について

吉田眞澄(よしだ ますみ)

ペット法学会副理事長、元同志社大学教授。1998年、「ペット法学会」を設立、事務局長を務める。2000年、同志社大学を退職後は、これまでの知識を実務家として社会に生かすべく、また、人とペットの共生社会を実現させるべく、幅広い活動をしている。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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吉田眞澄『ペットと暮らす』

吉田眞澄『ペットと暮らす』
8

動物度

8.5 /10

面白さ

7.0 /10

情報度

8.5 /10

猫好きさんへお勧め度

8.0 /10

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