青柳昌宏『ペンギンたちの不思議な生活』

青柳昌宏『ペンギンたちの不思議な生活』

 

副題:『海中飛翔・恋・子育て・ペンギン語・・・』。

ペンギンはいつだって人気者だ。
ヨチヨチと歩く姿はどこまでも愛らしく、あまりに対照的な水中でのアクロバットは人々を感嘆させる。白黒の正装姿は微笑ましく、こんな鳥がいったいどうやって南極や荒海で生きて行かれるのか、なんとも逞しい。

おそらく、日本に生息しない鳥でありながら、もっとも身近に感じる鳥のひとつではないだろうか。その直立姿勢ひとつとっても、同じ直立歩行のヒトとしては、親近感を感じずにはいられない。

そんなペンギンたちについて知りたいなら、まずこの本から!

ペンギンの「恍惚のディスプレー」とは?
ペンギンの貞節度と、産卵の同調性には関係があるのか?
ペンギンはどうやって我が子を見分けるの?
ペンギンの子どもはどうして親と違う服装をしている?
ペンギンの白黒パターンは本当に捕食に有利なのか?
その他、その他。

著者は南極をはじめ各地でペンギンを観察してきたペンギン博士。読みやすく、わかりやすく、しかも知識満載な一冊だ。写真や図も豊富。白黒刷りだが、ペンギンはご存じのようにほぼ白黒の鳥だから、カラーでなくとも全く問題ない(笑)。

ところで、この本の中で、著者はペンギンは水中を「泳ぐように飛ぶ」と表現している。「飛ぶように泳ぐ」ではない。ペンギンは水中を「飛んでいる」のだという。それが、実際にペンギンを観察した研究者の実感だったそうだ。

ラッキーなことに、今は一般人でも旭山動物園でペンギンが「飛ぶ」姿を見られるようになった。私はまだ見ていないが(汗)、しかし映像はみた。確かに飛んでいる!すごい!

この本を読めば、あなたは必ず、ますますペンギンに魅了されること間違いなしでしょう。

(2009.6.5.)

青柳昌宏『ペンギンたちの不思議な生活』

各種ペンギンたちの説明もある。写真ではなく、イラストなので、特徴が分かりやすい。

青柳昌宏『ペンギンたちの不思議な生活』

青柳昌宏『ペンギンたちの不思議な生活』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『ペンギンたちの不思議な生活』
海中飛翔・恋・子育て・ペンギン語・・・

  • 著:青柳昌宏(あおやなぎ まさひろ)
  • 出版社:講談社ブルーバックス
  • 発行:1997年
  • NDC:488(動物学)鳥類
  • ISBN: 9784062571715
  • 211 + xiページ
  • モノクロ
  • 登場ニャン物:-
  • 登場動物:あらゆる種類のペンギンたち

 

目次(抜粋)

序章 それでもペンギンは飛んでいる
第1章 いろいろなペンギン…ペンギン・ミニ図鑑
第2章 ペンギンとはどんな生き物か…ペンギン豆事典
第3章 ペンギンはなぜ恍惚状態になるのか…その求愛論
第4章 ペンギンはなぜ保育所をつくるのか…その子育て論
第5章 ペンギンはなぜ礼装をしているのか…その服飾論
第6章 ペンギンはなぜ頭に意味をもたせるのか…その頭飾り論
第7章 ペンギンはいつ、どこで出現したのか…その起源論
第8章 最新ペンギン事情
あとがき
もっとペンギンを知るための参考書
参考文献
さくいん/巻末

 

著者について

青柳昌宏(あおやなぎ まさひろ)

1970年以来、南極を中心に各種ペンギンの研究・観察を続ける。1986年からは、ペンギン保護のNGO「ペンギン基金」を主宰して、世界の野生ペンギンの保護と研究者の支援をしている。現在、神奈川大学付属中・高等学校校長、財団法人日本自然保護協会理事。主な著訳書に『ペンギン-南極からの手紙』(平凡社)、『ウィロー教授のペンギン学持論』(SEG出版)、『ペンギンハンドブック』(どうぶつ社)など多数。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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青柳昌宏『ペンギンたちの不思議な生活』

6.7

動物度

9.8/10

面白さ

7.5/10

情報度

8.5/10

猫好きさんへお勧め度

1.0/10

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