松村紀代子『猫の本棚』
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歴史上・文学上の人物たちと、愛猫たち。
飼い主を大金持ちに出世させた猫、化け猫の正体、黙阿弥の猫、長船旅をした猫。
簡単な猫歴史、俳句に詠まれた猫、有名な源氏物語の猫。大ヒットミュージカルの原作となった詩集、夏目漱石の猫、そして、猫好き作家として有名な大佛次郎の猫たち。
最後に作者自身の飼い猫の達観した死に様。
猫にまつわる話を集めた本は多いが、この本は単なる情報集めに流されず、猫文学史上のポイントを押さえて書いてあって、好感を感じた。
作者が幼い頃から大の猫好きだったこともよくわかる。
世の中には「ネコ好きではないが、猫本は売れると聞いたので」という理由で書かれた本が意外と多いようで困る。
この本については、他の本を検索中に偶然みつけたもので、本の評も作者についてもまったく無知だった。
が、岩波の本なら間違いなかろうということでネット・オーダーしたのだった。
読後の感想も、“さすが岩波”だった。
本著は、これから猫の本を読んでみたい方には良いガイドとなる本だ。
また、今まで多くの猫の本を読んできた方には、あらためて「そうそう、あれ、面白い本だったなあ。また読もうかな?」と思いさせる本である。
(2002.4.10)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『猫の本棚』
副題、シリーズ名など
- 著:松村紀代子 (まつむら きよこ)
- 訳:姓名(ひらがな)
- 出版社:岩波書店
- 発行:2000年
- NDC:914.6(日本文学)随筆、エッセイ
- ISBN:4000017950 9784000017954
- 182ページ
- 登場ニャン物:
- 登場動物:
目次(抜粋)
- まえがき
- 猫はやさし
- ヒトを偉くした猫――ウィッティントンの嘘と実
- バケネコオはやさしい――『耳嚢』より
- その他
- ぜんぶ猫の話
- 取りいそぎ、猫の世界史抄/li>
- 花も杓子も――蕪村・応挙、やがて子規
- その他
- 猫の姿は「すでになし!」
- フクロネズミしの愛した猫――ミュージカル「キャッツ」とT.S.エリオット
- 夏目家のクロたち――ワガハイくんのあとさき
- その他
- こねここの猫どこの猫
- あとがき