加藤由子『ある日、猫は二本足で立ち上がる』

加藤由子『ある日、猫は二本足で立ち上がる』

 

写真:山崎哲。

この本は、写真集と言うべきでしょうか、それとも、図鑑と見なすべきでしょうか。

全111ページのうち、最初の64ページが写真図鑑になっている。それも、写っている猫は全員「二本足で立ち上がっている」。称して「立ちネコ図鑑」。
38種の純血種が、ずらりと立ち上がった姿はおかしいし可愛い。

 そして、後半は加藤さんの「猫を絶対飼いたくなるエッセイ23」。

エッセイと名うっていても、猫知識盛りだくさんだ。下手な飼育書より、猫への接し方がよくわかる。
各章のタイトルだけをみても、
「最後にあきらめるという手もある」
とか、(この精神、大事ですよね、猫と暮らすにあたって)
「不妊手術は不自然であっても不幸ではない」
とか。(むしろ猫自身にとっては幸せなことも多いのです)
猫を愛し猫と暮らす人間だけにわかる世界が広がっている。

そして、私が一番うれしかった章。
「子猫もおとな猫も一日飼えば同じにかわいい」(page70)

この章で、著者は、子猫偏愛の風潮を批判している。
ペットショップでも、里親募集でも、少し月齢がいっただけで「売れ残り」「居残り」が出ることを憂い、読者に、大人猫も子猫と同じようによく慣れるし可愛いからと説いている。
ちょっと長くなるけど、私も思い切り同意せずにいられない文章なので、引用させていただく。

猫は生後3カ月を過ぎると、途端に買い手やもらい手がなくなるものだ。(中略)子猫と同じようになつくのに、子猫と同じようにかわいいのに、猫が欲しいという人の選択肢からはずれてしまうのが悲しい。性格や健康状態がはっきりして、飼うには最適の”安全パイ”なのに、チャンスを奪われてしまうのが気の毒で仕方がない。
おとな猫は体型がおとなであるだけで、気分は子猫のままなのだ。だから、体型以外は子猫と同じかわいらしさを発揮する。体型が子猫ではなくなった”売れ残り”と”居残り組”に、もっと目を向けて欲しい。
page71

(2002.4.18)

加藤由子『ある日、猫は二本足で立ち上がる』

加藤由子『ある日、猫は二本足で立ち上がる』

加藤由子『ある日、猫は二本足で立ち上がる』

加藤由子『ある日、猫は二本足で立ち上がる』

加藤由子『ある日、猫は二本足で立ち上がる』

ハウスホールペットとは、俗にいう雑種の猫さんたち。
この子たちもちゃんと取り上げられているのはさすが加藤さんの本。
彼らこそ、もっとも身近でもっとも愛されてきた猫たちなのに、残念ながら多くの本は彼らを無視したり、あまりに軽く扱っていると思うのです。
これから猫を迎えたいと考えている方は、大人の雑種さんたちも、どうか、選択肢にいれてくださいね。ほんとうに可愛い子たちですから。

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『ある日、猫は二本足で立ち上がる』

  • 著:加藤由子
  • 写真:山崎哲
  • 出版社:スコラ
  • 発行:1998年
  • NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
  • ISBN:4796205012 9784796205016
  • 111ページ
  • カラー
  • 登場ニャン物:多種多数
  • 登場動物:-

 

目次(抜粋)

  • まえがき
  • ある日、猫は二本足で立ち上がる?
  • ネコの毛色
  • 立ちネコ図鑑
    • アビシニアン
    • アメリカン・カール
    • その他
  • 猫を絶対飼いたくなるエッセイ23
    • 猫と楽しく遊ぶ方法
    • 飼い主の心得
    • 猫と人との絆

 


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加藤由子『ある日、猫は二本足で立ち上がる』

8.6

猫度

9.8/10

おもしろさ

8.0/10

画像

8.5/10

猫好きさんへお勧め度

8.0/10

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