安部穣二『猫のいいぶん、猫のみかた』

新美敬子写真。世界の猫たちと、軽妙な文章と。
二三ヶ国四二の街や村で生活している猫の生き生きとした本当の表情を撮り続けた写真と、国境を越えてネコ語を自由自在に理解し、猫の気持ちを代弁して華麗なメッセージを書き下ろした作家が共作。
(裏表紙より)
見開きの、右側に文章、左側に猫の写真という構成です。
文章は、すべて、写真の中の猫が話しているという形になっています。例えばイタリアはベニスの猫は;

「オレは一五歳になった。
(中略)
母が、長寿だったから、オレもあと三年は大丈夫に決まっている。
毎日こうしてパパが船頭をしている渡し舟に乗って、オレは市場に出掛けるのだ。
(後略)」
page30
いっぽう、スペインはバルセロナの猫たちは;

「なによ、あんた写真なんか撮って・・・
あたし達そんないやらしい関係じゃありません。
何度言ったらわかるんですか。
仕事の打ち合わせをしてただけなんです。
(後略)」
page 52
こんな感じで100ページ以上、写真と猫の台詞が続きます。猫たちは、その辺にごくふつうにいる、ごくふつうの猫たちばかりです。しかも大人猫たち。それが良いんですよね。マスゴミの、やれ血統書つきだ、やれ子猫ちゃんだ、こっちは赤ちゃん猫のオンパレードだぞ、みたいな、猫愛をまったく感じられないような写真集とは違います。
発行からすでに30年、中古でしか手に入らなくなっていますが。
ほっこりしたい方にお勧めの、小さな本です。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像にあえてボカシをいれる場合があります。ご了承ください。

著者について
安部穣二(あべ じょうじ
主著に『塀の中の懲りない面々』、『賞ナシ罰アリ猫もいる』など多数。
新美敬子(にいみ けいこ)
写真家。主著に『旅猫』『だっこ猫』『猫ばたらき』『猫のアジア』など多数。
(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)
『猫のいいぶん、猫のみかた』
- 文:安部穣二(あべ じょうじ)
- 写真:新美敬子(にいみ けいこ)
- 出版社:河出書房新社 河出文庫
- 発行:1995年
- NDC:914.6(日本文学)随筆、エッセイ
- ISBN:9784309405483
- 132ページ
- カラー
- 登場ニャン物:多数
- 登場動物:



