『家のネコと野生のネコ』

『家のネコと野生のネコ』

本文・写真解説:澤井聖一、野生のネコ本文:近藤雄生。

9.7cm x 21cm(A4サイズ)の、大きな本。フルカラー、上質な紙で207ページ、手に取ればずっしりと重い、立派な本です。

最初の章「家と野生の猫つながり」では、野生のネコ科とイエネコの血統書種のうち、姿かたちが似ているもの同士が見開きに並べられています。マヌルネコとペルシャ。野生のベンガルと、品種として作られたベンガル。また例えばチーターとエジプシャンマウ、この2種は大きさや外見は大きく異なるけれど、スポット柄という点だけはよく似ています。同様に、ボブキャットとピクシーボブ、ぼんぼりのように短い尻尾がそっくり。

『家のネコと野生のネコ』

その後の個々の種解説でも、野生ネコ科とイエネコの各品種が、同じ扱いで並んでいきます。「ヨーロッパのネコ」の章でゃ、ユーラシアオオヤマネコ・スペインオオヤマネコ・ヨーロッパヤマネコに続けて、「ヨーロッパゆかりのイエネコ」のブリティッシュショートヘア、マンクス、キムリック・・・と続きます。同様に、「北米のネコ」「アジアのネコ」「アフリカ・中東のネコ」。

唯一の例外が最後の「南米のネコ」で、ここはジャガーをはじめ、野生のネコ科は9種と多いのですが、南米発生のイエネコ品種はいません。

トラ・ライオン等の有名な野生ネコたちから、アンデスキャット・コドコドなど希少ながら知名度も低い野生ネコたちまで、どの種も美しい写真で紹介されています。写真集として見るだけでも見ごたえたっぷりです。写真が美しすぎて文章を読むのをつい忘れてしまうくらい(苦笑)。家の中の手の届くところにおいて、何回も何回も見直したいタイプの本です。

『家のネコと野生のネコ』

2800円は安くはないかもしれません。でも決して損はしないでしょう。ボロボロになるまで読み込んでください。

イエネコ達の最近の変な「改変」や「病気の固定化による品種確定」について問題として言及されていないのは残念ですが。

『家のネコと野生のネコ』
『家のネコと野生のネコ』

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

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目次(抜粋)

家と野生の猫つながり
・ペルシャとその起源とされた野生種
・ベンガルはベンガルから生まれた
ほか

ヨーロッパのネコ
・ユーラシアオオヤマネコ
・スペインオオヤマネコ
(中略)
・ヨーロッパゆかりのイエネコ
・・英国の古代イエネコ3種
ほか

北米のネコ
・ピューマ
・カナダオオヤマネコ
(中略)
・北米ゆかりのイエネコ
・・ブリティッシュショートヘアは大西洋を渡ってこの2種になった
ほか

アジアのネコ
・トラ
・アムールヒョウ
(中略)
・アジアゆかりのイエネコ
・・ジャングルキャットのハイブリッド
ほか

アフリカ・中東のネコ
・アフリカライオン
・アフリカヒョウ
(中略)
・アフリカ・中東ゆかりのイエネコ

南米のネコ
・ジャガー
・オセロット
ほか

参考文献
索引

『家のネコと野生のネコ』

  • 本文・写真解説:澤井聖一
  • 野生の ネコ本文:近藤雄生
  • 出版社:株式会社エクスナレッジ
  • 発行:2019年
  • NDC: 489.53(哺乳類・ネコ科)
  • ISBN:9784767826509
  • 207ページ
  • カラー
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