『オオカミと野生のイヌ』

『オオカミと野生のイヌ』

オオカミほかイヌ科全般を美しい写真で紹介。

人類を除くすべての哺乳類の中で、最も広い地域に生息していたのはオオカミだそうです(いた、と過去形なのは寂しいけれど)。

この本は、そのオオカミをまず、美しい写真と、オオカミ愛にあふれた文章で丁寧に紹介していきます。オオカミの遠吠えに、なぜヒトはこれほどまでに魅かれるのか?オオカミは初期人類にとって常に恐ろしい捕食動物であったはずだ。オオカミの遠吠えに怯える必要がなくなったのは、人類史上ごく最近のこと。なのに、多くの人々は、オオカミの遠吠えに心が震えるほどの「何か」を感じてしまいます。

『オオカミと野生のイヌ』

それほどオオカミは人類にとってずっと身近な存在でした。ニホンオオカミ・エゾオオカミ両種とも絶滅してしまったのは、本当に残念でなりません。

この本で面白いのは、野生オオカミたちを紹介したすぐ次の章で、ディンゴ、ニューギニア・シンギング・ドッグに続き柴犬と秋田犬が紹介されていることです。

『オオカミと野生のイヌ』

柴犬については、2002年スウェーデン王位工科大学サヴォライネン等の研究により、世界85犬種654頭の飼い犬から摂取したミトコンドリアDNAを比較したところ、柴犬こそが最も「オオカミに近い」犬種だと判明し、大きな話題となりました。次がチャウチャウ。中国原産の古い犬種です。そして世界3位が秋田犬と、またも日本犬なのでした。

もっとも秋田犬についてはかつて積極的に大型洋犬の血が導入された経緯があり、秋田犬を純日本犬とみなすことに私は違和感を覚えます。その秋田犬でさえ世界3位なら、甲斐犬や紀州犬など(現在の)柴犬よりさらに日本犬っぽい犬種はもっとオオカミ系なのではないかと密かに楽しみにしているのですが、誰か調べてくれないかなあ?

他には長すぎるほど長い脚が特徴のタテガミオオカミ、一見何の動物だかわからない外見のヤブイヌやコミミイヌ、それから最近日本でも注目の変顔キツネ=チベットスナギツネなど、野生イヌ科35種が全て紹介されています。

写真集としてもすばらしい内容です。イヌたちの事を知りたい人には最高に楽しい本でしょう。

『オオカミと野生のイヌ』
『オオカミと野生のイヌ』

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

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目次(抜粋)

WILD DOGSの肖像

Part 1 Gray Wolf
ハイイロオオカミ
・オオカミの遠吠えに、なぜヒトは引かれるのか?/オオカミたちの棲む世界/ほか
野生種が絶滅したオオカミたち
・北欧のハイイロオオカミ/南欧のハイイロオオカミ/ほか
生き残ったオオカミは世界に何頭いるのか?

Part 2 Artic Wolf
ホッキョクオオカミ
・雪と氷の世界に生きる北極圏の白い亜種/家族で助け合うオオカミの子育て/ほか

Part 3 Wolf-Like Clade
オオカミの仲間たち
・ディンゴ/ニューギニア・シンギング・ドッグ/柴犬/ほか

Part 4 South American Clade
南米の野生イヌ
・タテガミオオカミ/ヤブイヌ/ほか

Part 5 Red Fox-like Clade
アカギツネの仲間たち
・オオミミギツネ/タヌキ/ほか

Part 6 Gray & Island Fox Clade
ハイイロギツネの仲間たち
・ハイイロギツネ/シマハイイロギツネ

参考文献
索引

『オオカミと野生のイヌ』

  • 監修:菊水健史(きくすい たかふみ)
  • 本文:混同雄生(こんどう ゆうき)
  • 企画・構成:澤井聖一(さわい せいいち)
  • 出版社:株式会社エクスナレッジ
  • 発行:2018年
  • NDC:489.56(哺乳類・イヌ科)
  • ISBN:9784767825014
  • 207ページ
  • カラー
  • 登場ニャン物:-
  • 登場動物:野生のイヌ科
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