『JAVAコスメガイドVol.6』

『JAVAコスメガイドVol.6』

世界の流れは動物実験廃止!

1980年代、欧米の消費者たちが、「動物実験している化粧品は使いたくない!」と声をあげるようになりました。高まる世論の声に、1993年、EU域内における化粧品の動物実験の段階的な禁止を決定。2013年3月11には化粧品の動物実験すべての完全禁止を実現させたのです。

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その動きは日本でも。

ここ何年かの間に、大手化粧品メーカーが、国内での動物実験廃止宣言を次々に打ち出すようになりました。さらには、消費者にアピールするため、動物実験していないことを自社ウェブサイトに掲載するまでに至っています。まさにJAVAをはじめとする日本の消費者の勝利。

 

動物実験をしなくても、化粧品をつくることはいくらでも可能です。すでに膨大な量のデータが蓄積されていますし、そもそもウサギやマウスやイヌ等と、ヒトは別種の生き物なのですから、動物実験の多くが最初から無意味であったりします。また、現代ではさまざまな代替法も確立しつつあり、各種条件を一律にそろえられる化学実験のほうが、個体差大きい生きた動物をつかった動物実験より、正確かつ信頼できるデータをえられるようになってきています。

倫理面からだけではなく、科学的にも経済的にも多くの利点があります。

  • 経費と時間を大幅に削減できる
  • 動物のように体質や性格など個体差がなく、様々な環境設定ができる
  • ヒトと動物の間には種の違いという障壁があるが、ヒトの細胞を使って、直接人間の安全性を調べることもできる
  • 試験物質や有毒廃棄物が少量ですみ、環境保護や実験者の安全性向上につながる

ref:『化粧品でも動物が犠牲に

にもかかわらず、いまだ実験を続けているメーカーが一部存在します。なぜでしょうか?

「会社の利益のため」です。まだ化粧品として使われていない、新しい薬品(成分)を発見すれば、その会社は大きな利益を独占できると考えているからです。動物の命より、消費者の気持ちより、自分の会社の利益が優先。金儲けのためなら、どれほど動物達が苦しもうと、知ったこっちゃない。

心優しい消費者の皆さま、そんな金亡者メーカーの商品なんか、買いたくないですよね?そんなメーカーの商品を使うということは、顔に動物の血を塗りたくるようなもの。今の時代に「化粧品のための動物実験」はもう不要です。

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動物実験していない化粧品メーカー255社のリスト♡

そこで、この『JAVAコスメガイドVol.6』

Vol.6では、1,000社以上の日本の化粧品メーカーと海外ブランドの化粧品を輸入販売する支社・代理店に対して、「JAVA化粧品アンケート2023」を2023年9月〜2024年6月に実施。その回答と、追加した調査結果を集計して作成しました。 さらに化粧品の動物実験の実態や化粧品製造販売のシステム、動物実験をめぐる海外の動き、動物実験代替法などに関する記事なども掲載した、充実の一冊です。
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動物実験していないメーカー255社、「原料は不明」のメーカー11社、中国への輸出に際し動物実験を容認しているメーカー24社、動物実験しているメーカー14社、他。すばらしいリストです。

『JAVAコスメガイドVol.6』

 

え?「自分は男だから化粧品なんて関係ない」なんて思った方はいらっしゃいませんか?

いえいえ、どうしまして。化粧品メーカーというのは、口紅やアイシャドウばかりをつくっている会社のことではありません。シャンプー、デオドラント、ひげそり用剤、日焼け止め、入浴剤、育毛剤、各種洗剤、漂白剤、その他。多種多様な製品を製造しているのが化粧品メーカー。現代日本に暮らす人間で、化粧品メーカーのお世話になっていない人間は存在しないと断言できる業界です。

『JAVAコスメガイドVol.6』

 

わずか480円の薄い本です。しかし、この一冊に込められた気持ちはとてつもなく重いものです。もし、少しでも動物達にやさしくありたいと思っていらっしゃる方なら、どうかぜひ、手に取って、中をじっくり読んでみてください。あなたがいつも使っているメーカーが、どこに載っているか、たしかめてください。洗剤など、CM合戦はすごいですが、消費者としての本音をいえば、どれを使っても大した差は感じられませんよね?どうせ大差ないのなら、苦しみの少ない商品を使う方が気持ち良いじゃないですか。

そして、もし、JAVAの活動を応援したいと思ってくださるなら、支援金込みで980円という購入もあります。

 

動物実験の残酷さについては、少しでも想像力のある方ならわかるでしょう。そもそも、なぜ、人体に使用する目的なものを、ヒト以外の動物で実験するのか?その内容が過酷で残酷すぎるから、実験台になってくれる人間なんてお金を積んでもいないからでしょう。だから昔は囚人や捕虜に人体実験をおこなった例もありました。しかし現代社会では、そのような行為は世界のどこでも禁止されています。残酷すぎるから。

なのに、動物達にたいしては今でも行われている。しかも、すでにデータはたっぷりだし、不要な実験が多いというのに。

そんなの許してよいのですか?動物達だって、我々ヒトに近い種ほど、神経系等もヒトと似ています。つまり肉体的苦痛はもちろん、精神的苦痛も、ヒトと同じように感じるのです。かといって、ヒトとあまりにかけ離れた生物で実験したところで、その結果が有効とはとても思えません。エンドウマメは遺伝子の仕組みを解明するには役立ったかもしれませんが、人間用ヘアケア商品の実験をエンドウマメで行うことはできません。

動物実験の残酷さを告発した書籍では、古くはリューシュ編『現代の蛮行』があります。本というよりリーフレットといってよいような、薄い本ですが、これが衝撃的でした。今の時代は、ウェブサイトやSNSでの告発は多いです。JAVAのような団体も活動しています。もう「化粧のために動物実験」なんて時代じゃないのです。 

 

日本の動物実験における動物達の扱い。国際評価では、A~Gの7段階で【E】です。※1
日本の、動物達全般(コンパニオンアニマル、使役動物、娯楽に使われる動物、実験動物、野生動物、等)の扱いに関しての総合評価も【E】。畜産動物や、使役動物(馬など)、娯楽に供される動物(動物園など)の扱いは、最低ランクの【G】です。日本国内に生息するもっとも多い恒温動物は畜産動物であることを考えるにつけても、これは恐ろしいことです。※2

なんとかしなくては。

 

 

私自身もずいぶん前から、スーパーやドラッグストアの棚の前で、自作メモをめくりながら、動物実験をしているメーカーかそうでないかで商品を選んできた人間です。そんな消費者が一人でも増えてくれることを祈っています。

無用に苦しむ動物が少しでも減ってくれますように。

  

『JAVAコスメガイドVol.6』

 

 

【注】このページの画像は無断転用禁止です。使用されたい方は直接JAVAへお問い合わせください。

※参考サイト:JAVA/『化粧品でも動物が犠牲に』他。

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

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目次(抜粋)

  • プロローグ
  • 1.化粧品のための動物実験とは
  • 2.化粧品の動物実験をなくすための5つのアクション
  • 3.「JAVAコスメガイドVol.6」の定義
  • 4.化粧品メーカーリスト
    • 動物実験していないメーカー/国内
    • 動物実験していないメーカー/海外
    • 「今後もしない」と確約のないメーカー
    • 中国での動物実験を容認しているメーカー
    • 「中国など諸外国での販売の有無は不明」のメーカー
    • 「原料は不明」のメーカー
    • 「製造会社では不明」のメーカー
    • 動物実験しているメーカー
    • 独自の回答・見解書を送ってきたメーカー
    • 実施状況がわからないメーカー
    • 回答しなかったメーカー
  • 5.もっと詳しく知りたい人へ
    • 日本の化粧品製造販売のシステム
    • 動物実験代替法
    • 世界のながれ
  • エピローグ
  • 参考文献・参照先
  • JAVAについて

著者について

NPO法人動物実験の廃止を求める会

Japan Anti-Vivisection Association、通称JAVA。1986年に設立された非営利の市民団体です。動物実験の実態と、その倫理的・科学的過ちを広く知らせ、研究機関や教育機関、化粧品会社や食品会社などの企業に対して、動物実験を廃止し、動物を使わない研究方法「代替法」に転換するよう働きかける活動を柱に、動物の命と権利を守る活動を活発に行っています。また、世界各国の動物保護団体とも連携しながら、世界有数の団体で組織された国際動物保護委員会(ICAPO)にはアジア地域で唯一のメンバーとして参加するなど、国内外の動物問題に積極的に取り組んでいます。

公式サイト:https://www.java-animal.org/

 
(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)

『JAVAコスメガイドVol.6』

  • 著:JAVA化粧品プロジェクト
  • 発行:NPO奉じん動物実験の廃止を求める会
  • 発行年:2024年11月25日
  • NDC: 645 動物愛護
  • ISBN:9784990831110
  • 94ページ
  • モノクロ
  • 登場ニャン物:-
  • 登場動物:実験動物たち
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