ギャリコ『猫語の教科書』
猫と暮らすなら、必読の書。
猫好きの間ではとても評判の良い本です。
ある子猫が、どうやって人間を“たぶらかし”、暖かい家を“乗っ取った”か、その技術を、子猫や、まだ乗っ取りに成功していない猫仲間に伝えるため、猫がタイプライターを駆使して書いたという設定になっています。
でも内容は、下手な猫飼育書よりよほど的を得ていて、勉強になります。猫の気持ち、行動、しぐさの意味。それらが良く分かって、まるで猫の心理学書?
しかも、どのシーンも手に取るように具体的。
「そうそう、こんなふうにして私も猫に魂を奪われちゃったのよね」
なんて頷きながら読む人は多いでしょう。
写真も可愛いのです。
いわゆる血統書付きではない、ごく普通の猫ちゃんなのですが、何とも言えず魅力的な目をしています。
ギャリコ氏は他に、「ジェニー」、「トマシーナ」、「スノーグース」や「小さな奇跡」など、猫や動物を題材にした、優しさあふれる珠のような作品が多くあります。
世界中に熱烈なファンの多い作家です。
(2002.4.10)
=^_^= 著猫(ちょしゃ)略歴 =^_^=
交通事故で母を亡くし、生後6週間にして広い世の中に放りだされる。1週間ほどの野外生活を経て、人間の家の乗っ取りを決意。持前の器量を発揮し、居心地のいい家庭に首尾よく入りこむ。飼い主を思いのままにしつけた豊かな経験を生かし本書を執筆。四匹の子猫(こども)たちを理想的な家庭へと巣立たせた後は、いっそう快適な生活を送りつづけている。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『猫語の教科書』
- 著:ポール・ギャリコ Paul Gallico
- 訳:灰島かり(はいじま かり)
- 出版社:筑摩書房
- 発行:1995年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
- ISBN:4480831614 9784480831613
- 157ページ
- モノクロ
- 原書:”The Silent Miaow : a manual for kittens, strays, and homeless cats” c1964
- 登場ニャン物:ツィツァ
- 登場動物:-
目次(抜粋)
- 編集者のまえがき
- 第1章 人間の家をのっとる方法
- 第2章 人間ってどういう生き物?
- 第3章 猫の持ち物、猫の居場所
- 第4章 獣医にかかるとき
- 第5章 おいしいものを食べるには
- 第6章 食卓でのおすそわけ
- 第7章 魅惑の表情をつくる
- 第8章 ドアをどうする?
- 第9章 クリスマスのおたのしみ
- 第10章 旅行におともするコツ
- 第11章 母になるということ
- 第12章 じょうずな話し方
- 第13章 猫にとっての正しいマナー
- 第14章 愛について
- 第15章 別宅を持ってしまったら
- 第16章 これはしょちゃダメ
- 第17章 じゃまする楽しみ
- 第18章 子猫のしつけと子猫の自立
- 第19章 終わりに
- 写真家のメモ