波間信子『ハッピー!』

盲導犬ハッピーの感動マンガ。
香織は22歳の時、スキー事故で失明しました。
成人してからの失明。
人生これからという若さでの失明。
どれほどの絶望だったでしょうか。
それでも、白杖を握りしめて、香織は頑張っていました。
歩数を数えて外出もできるようになっていました。
なのに、信じていた恋人にまで捨てられて・・・

波間信子『ハッピー!』
生きる気力さえ失った香織を見るに見かねて、親友の希(のぞみ)は香織をむりやり盲導犬協会へ引っ張っていきます。
そこで香織はハッピーという盲導犬と出会います。
ハッピーは、まさに名前の通りの犬でした!
人が大好き、子供が大好き、香織が大好き。ハッピーな犬。
それだけではありません。
まるで幸福が犬の姿をしているようだ・・・
ふれあう人、みなに幸せをうつす

波間信子『ハッピー!』
ハッピーを知った人は皆生きる勇気を与えられ、幸せになっていきます。
まさに魔法の犬です。
若い香織は、様々な状況で、不安につつまれ、悩み、苦しみます。
若い女性として人並みに恋もしたい。
結婚もしたいし子供も生みたい。
でも、目が見えない・・・!
そんな香織を常に支えるのがハッピーです。
ひたすらに愛することの尊さ。信じることの偉大さ。全力を尽くすこと。助け合うことの大切さ。命の価値。優しい心。いたわる気持ち。
それから、希望を捨てないこと!
決して決して希望を捨てないこと!

波間信子『ハッピー!』絶望の淵にいた香織は、ハッピーに出会えたことで、また歩き出す力を、生きる希望を取り戻す。
私は、このマンガは動物マンガ最高傑作のひとつだと思っています。
特に若い頭に読んで欲しい。
私が大臣なら全国の小学生に強制的に読ませたいくらいです。
マンガとはいえ、この本には人生で学ぶべき大切な要素が全部つまっています。
下手な教科書を読むよりよほど勉強になるはずです。
もしまだご存じない方がいらっしゃいましたら、どうぞ手にとって見てください。
レディースコミックですが、老若男女関係なく、誰でも楽しめると思います。
ハンカチの用意をされた方が良いかも知れません。
読後感は実にさわやかです。涙を流したとしてもそれはすがすがしい感動とうれし涙です。
ハッピーは登場人物だけでなく、読者にも幸せをばらまいてくれるのです。
だんぜんお勧めです。
(2006.10.11.)

波間信子『ハッピー!』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ハッピー!』
副題、シリーズ名など
- 著:波間信子 (はま のぶこ)
- 出版社:講談社「BE LOVE」
- 発行:1995年(第1巻)~
- NDC:726(マンガ、絵本)
- ISBN:4063177238 9784063177237
- 登場ニャン物:-
- 登場動物:ハッピー、アロマ、他犬たち