いさやまもとこ『ねこモコぐうすか』『ねこモコぽかぽか』
猫も人も、生きている子もお空に行った子も、ふつうに話し合っているマンガ。
【推薦:まり様】
『ねこモコぐうすか』『ねこモコぽかぽか』
猫は喋るし、モコちゃん(作家)は裸だし、猫の名前も「うんこちゃん」だし・・・。
でもはまると抜け出せないモコワールド。強いメッセージを含むマンガでもあります。
(2003.6.24)
と、ご紹介を受けたので、購入しました。
『ねこモコぐうすか』の方だけです(すみません)。
まり様のかかれている通り、まず、主人公のモコちゃんは、裸です。
胸ぺったんこで、いつも白いパンツだけをはいていて、おかっぱ頭、約2.5頭身の、幼児体型。
私は最初、てっきりモコちゃんは幼女の設定だと勘違いしてしまいました。
猫たちと自由に会話している点も幼児っぽいし、巻頭の写真も幼女と猫ですし。
でも、モコちゃんは、立派な大人、プロの漫画家さんなんです。
編集者や獣医さんと会うときも、絵の中ではすっぽんぽんの裸ん坊ですけれど、成人女性です(笑)
(もしこれが現実だったらタイヘンだぁ~笑x笑)
更に目立つ特徴は、目の大きさ。
巨大です。
いわゆる少女マンガ的な、お星キラキラまつげバタバタ系ではありません。
ぐりんっと丸い目が、顔幅からはみ出すように描かれています。
そして、すべての線が太い。
細めのサインペンで書いたような、はっきり黒々とした線です。
初めて本を開いた時、「ドンッ」という音が聞こえたような気がしました・・・
絵が「ドンッ」って。
ストーリーは、
第一話でいきなり、愛猫「うんこちゃん」が死んでしまいます。
こういう展開の場合、前の猫を懐かしみつつ次の猫を迎えるのがふつうで、『ねこモコぐうすか』でも定番通り、つぎの猫を迎えますが、前の猫も登場し続けます。
思い出の中、とかではなく、生きてそこにいるかのように。頭に天使の輪・背中に羽を生やしている以外、ごくふつうに生きている猫のように。
この天使猫「うんこちゃん」は、モコちゃんにも、新しい猫ドロちゃんやシャー・フーちゃんにも、ふつうに見えています。
そしてふつうに会話しあいます。猫も人も関係なく。
好き嫌いの分かれる絵だと思います。
独特な雰囲気、独特な語尾(たとえばうんこちゃんは「なんていう名前なのよなの?」等と話します)。
まさに独特な世界。
はまる人は、はまりすぎて抜け出せないかも?
ところで、私自身は。
絵のコラムの横に、別の話題や話が書いてあるんですね。
その中の『シャー・フー大脱走事件』。
これが、本編のマンガより面白かった・・・と書いたら怒られるだろうなあ・・・でも本当に、一番面白かったんですもん。
ごめんなさい。
(2003.8.8.)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ねこモコぐうすか』
ねことおしゃべり365日
- 著:いさやまもとこ
- 出版社:小学館
- 発行:1998年
- NDC:726(マンガ、絵本)
- ISBN:4093963312 9784093963312
- 243ページ
- 登場ニャン物:うんこちゃん、ドロちゃん、シャー・フー、いもちゃん
- 登場動物: