こなみかなた『はぐはぐ』

おとぼけ雄はぐはぐと、楽しい仲間たち。
連載中はずっと、店頭で立ち読みしていました(汗)
その後、田舎に引っ越して、本屋の実店舗から遠くなり、本はもっぱらネット通販で購入するようになって、しばらくはぐはぐと会えずにいました。
しばらく後に、やっぱり会いたくなって、本を購入しました。
ということで、私が持っているはぐはぐは、『初恋編』『激闘編』『はぐはぐ二世誕生編』『なかよし家族編』『いたずら仲間編』の5冊です。
ACTION COMICS「はぐはぐ」全16巻(1992-2001年発行)を再編集したものです。
はぐはぐの家族は、
人間=お父さん、お母さん、女の子
猫=はぐはぐ、キジ、マルコ、チャウ(連載中に家族に)
ほか=犬のパル、ニワトリのピー太(ヒヨコから大人に成長するまで)
そして、外にいっぱいお友達がいます。
片思いの相手も、ライバルも、知らない猫もいます。
このマンガが描かれたのは昭和、まだ外出自由猫が多かった時代です。
皆、当然のように、外を自由に歩いています。
野原があり、木があり、茂みがあり、車は少ない。
のどかな風景です。
のほほん呑気なはぐはぐ。
立派な雄ですが、ボス猫ではないし。
外をほっつき歩いていますが、家に帰れば暖かい寝床とごはんが待っているし。
女の子を好きになったり、好みじゃない雌にいいよられたり。
秘密の場所を知っていたり、ニワトリと仲良くなったり。
ユーモアの中に温かみがあふれています。
大笑い、ではなく、ついニッコリうふふと微笑むようなエピソードの数々。
でも猫についての知識はしっかりしています。
何と言っても、猫マンガ家・こなみかなた氏と、猫博士・沼田朗氏のコラボなのですから。
猫について、ウソやデタラメは描いていません。
それどころか、覚えておくと役に立ちそうな猫知識が、あちこち出て来ます。
猫同士を仲良くさせるコツとか。
猫の順位についてとか。
猫のことで、ぜひ理解して欲しいこととか。
どの回も面白いのですが、私がとくに好きなのが、子猫のチャウが拾われる話(『なかよし家族編』その11「ヘンなネコ突然!?」~)。
娘さんが拾ってきた子猫を見て、お父さんお母さんもただちに家族と迎える決心をしてくれます。
そしてすぐに獣医さんの診察を受けさせます。
そのシーンがなかなか良いのですよ。
「寄生虫もいないようですし
健康面では問題ありませんねただ・・・」
「ただ?」
「この眼
このコはかなり視力が弱いようですよ
それに
発育の仕方が
ちょっと普通じゃないですねこの先
ネコとしてはけっこう風変りな
体型になると思いますよ」「あらまあ!」
「そりゃ困ったな」「困るほどの
問題じゃ
ありませんこういうコは
飼ってて楽しい
面白味のある
ネコに
なりますよ」
『なかよし家族編』その13「獣医さんキライ」より
お父さんお母さんは「困ったな」なんて言ってますが、笑顔のままで、本気で困っている様子は微塵もありません。
まして獣医さんの方は満面の笑みで、(どんなコに育つか楽しみ~)の内心、丸出しって感じです。
目に少し問題があって風変りな体型・・・はぁい!
我が愛猫トロが、まさにそれではありませんか(ハート)。
そして、トロほど楽しく面白味のある猫は、そうそういません!
ついでに言えば、同じ『なかよし家族編』の、その14「優劣の掟」でも、思い当たる表記が。
ネコの優劣関係は
新入りが一番下に
なるとは限らない生まれつきの
素質によるものの
ようで
小さい子ネコが
一番デカい面してる
場合も多いのだ
我が家もその通りでございます。
素質に関係なく、子猫は常に一番デカい面をし、そして、大人猫たちの間では、体が一番小さいハナが、一番デカい面をして威張っています。
猫と暮らしている人なら、誰だって、「あ、うちの子と同じ!」という場面があるのではないでしょうか。
また、「あの行動はそういう意味だったのか!」という気づきも多々あるのではないかと思います。
猫たちはとてもよく描かれていますし、表情は豊かで、とくに目の「にま~」が面白可愛く、どんな悪戯シーンでも憎めにゃ~い♪
実におすすめの猫マンガにゃのでございます。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『はぐはぐ』
『初恋編』『激闘編』『はぐはぐ二世誕生編』『なかよし家族編』『いたずら仲間編』
- 著:こなみかなた
- 原作:沼田 朗
- 出版社:双葉社
- 発行:2005-2006年
- NDC:726(マンガ、絵本)
- ISBN:9784575725674(初恋編)
- 登場ニャン物:はぐはぐ、キジ、マルコ、チャウ、パンピー、ミーコ、ロミオ、茶ブー、サムライ、はぐ子、アラクレ、ボテ子、他多数
- 登場動物:パル(テリア犬)ほか犬たち、にわとり、ほか