くるねこ大和『くるねこ』第1巻~

商業デザイナーと猫たちのぎうぎうな日々。
どういうわけか、しょっちゅう捨て猫に遭遇する著者。
家族も頻繁に拾ってくるので、そういう血筋なのだという(?)。
捨て猫に出会ったら、即拾って帰る。
悩んだってどうしたって、結局はどうせ拾うことになると学んだからもう悩まない。即、拾う。
器量よしの子は里親募集。
そうでない子は、そのまま我が子に。
というわけで、子猫が来たり、赤ちゃん猫が来たり、また赤ちゃん猫たちが来たり、クセのある風来猫がきたり。
まさに「渡る世間は猫ばかり」で「来る猫」な日々にゃのである。

くるねこ大和『くるねこ』
* * * * *
全20巻の長編漫画。私が持っているのは1~14巻までです。
内容は、自宅で仕事をするひとりの商業デザイナーと、勝手気ままな猫たちの、なんでもない日常を描いた「猫あるあるマンガ」です。
ハラハラドキドキな急展開はありません。全編を通してふんわりほっこり、のんびりムードです。
涙ボロボロの大感動劇もありません。猫が逝ってしまう話もあり、しんみりしますが、ほんわりもします。いかにもお涙頂戴な場面づくりはありません。
絵は、デフォルメされています。猫を特にかわいらしく描くでもなく、むしろあまり可愛くなく描いている?猫たちの実物(写真)のほうが、絵よりずっとかわいいんです。とくに「美輪のもんさん」。実物はこんなにかわいいのにな~もう少し可愛く描いてあげればいいのにな~なんて思っちゃいます。ときどき擬人化してヒトの姿でも描かれるんですけれど、その姿は美輪明宏さんをもっと老けさせて不気味にさせたような姿で、ますますカワイクナイ。実物が可愛すぎるから勿体なくて実物通りには描けないのか、なんて変に勘ぐってしまったりします。
胡てつも、もっとかわいいのにな~写真を見るとびっくりするくらいかわいいのにな~

くるねこ大和『くるねこ』
保護した子猫たちは、かわいらしく描かれていることが多いです。捨て猫を保護しては里親募集を繰り返す著者。簡単に「里親募集」といいますが、一度でも経験した人なら、その大変さはわかると思います。猫たちのためにありがとう、という気持ちになります。
作品中で、私がとくに特徴的な言葉遣いと思ったのはふたつ。どちらもけっこう頻出する言葉です。
ひとつは「でら」。名古屋弁で「ものすごく」という意味。大阪弁とかでよく「えらい」を「とても」という意味で使いますが、その「えらい」の比較級および最上級の「どえらい」あるいは「でえーりゃー」が略されて「でら」に進化したとか。私にとっては日常的に使うような言葉ではなく、その「でら」の使い方が面白く感じられてしまいました。

くるねこ大和『くるねこ』
もうひとつは「どえん」。調べても「どえん【度縁】律令制で、得度を許されて僧尼となる者に太政官が交付した文書。(以下略)」《広辞苑第六版》くらいしか出てきません。おそらく著者の造語?猫が太って、お腹もたるたるになっている様子に使われています。ドカーン(とした腹周り)とか、ドスドス(歩く)とか、そんな場面で「どえん」と表現されているのですが、この響きがぴったり合っていていいなあ!うちのトロなんてまさに「どえ~ん!」って感じでしたもの。この「どえん」、使いやすいし、ぜひ一般語として定着してくれないかと期待しています。
なお、ブログ「くるねこ大和」は、これ以上扶養家族を増やさないためにはじめた里親探しのツールだったそうです。(私の「猫とネコとふたつの本棚」も、里親探しのためにはじめたという点は同じでしたニャ。そして、茶トラ猫のトロさにびっくりしているところも。うちのトロはトロすぎてトロと命名された茶トラ猫でした)

くるねこ大和『くるねこ』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『くるねこ』
第1巻~第14巻
- 著:くるねこ大和(くるねこやまと)
- 出版社:株式会社エンターブレイン
- 発行:2008年(第1巻)~
- NDC:726(マンガ、絵本)漫画
- ISBN:9784757738874(第1巻)
- 登場ニャン物:美輪のもんさん、ポ子、カラスぼん、トメ吉、胡坊、胡てつ、他多数
- 登場動物:
↓「どえん」だったトロは座るお腹がたるんで床についていました(笑)