ステファン・ガルニエ『猫は気まぐれに幸せをくれる』
心が疲れたティーンエイジャーにおすすめしたい一冊。
複数の猫たちとくらしてきた著者。中でもジギーは特別な存在でした。いつも著者によりそい、ともにに歩んできた相棒。不幸にもジギーはあるとき交通事故に遭ってしまい、前足を一本失いました(うちの虎太郎といっしょですね)。しかしジギーは、不自由な体になってしまったことを嘆く様子もなく、まるで何事もなかったかのように3本足の生活に見事に適応してみせます。
著者は、そんなジギーに教えられ、導かれ続けるのでした。
この本は、猫から教わった人生訓を並べた内容となっています。猫を見習うことで人間も幸せになれる。そんな示唆にあふれた言葉にあふれています。
私が下手に説明するよりも、引用した方が雰囲気がよく伝わると思いますので、どうぞ。
幸福は、定義にしても目的にしても、形やその現れ方にしても十人十色。残念ながら誰も幸福とはこんなものだとは言いきれない。しかし、ざっくりとした法則や目安、生活モデルなどを手に入れることならできるかもしれない。そのためには猫を参考にするのがいちばんいい。猫がささやく生き方のコツに耳を傾け、どう行動しているのか観察してみよう。何をするにしても自分が心地いいと思うことだけをしている猫が、つまりは幸せを作っているのだということがわかる。
1日目 page19
では、私たちは幸せになってもいいのだろうか。
猫を見ていると、幸せになるのは権利というより、自分に果された義務なのではないかと思えてくる。
世の中に小さな幸せというものがあるわけではない。
幸せの計量の仕方、世の中の見方の問題なのだ。
3日目 page 24-25
猫のいる環境に生まれるとは、生まれながらに自由でいるということ。
13日目 page 51
批判とは、自分自身に一生かけて問い続けなければならない命題を解くための扉にカギをかけてしまうこと、つまり、疑うことをしなくなることである。
自分が正しいと思い込んで、真実のうちの最初の一部分だけを押し付けたりするなんて、真実のうちの最初の一部分だけを押し付けたりするなんて、世界やその多様性に背を向けて進歩しなくなることだと言える。
批判する前に、次の三つを自分に問うてみよう。
自分には批判する資格があるのだろうか。
批判できる立場にいるのだろうか。
批判する相手や自分にどんないいことがあるのだろうか。
自分の意見をもつことと、批判することは別物。
人の話を聞く前に批判するのを、やめてみてはどう?
15日め page 54-55
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
著者について
ステファン・ガルニエ Stephane Garnier
フランス、リヨン市生まれ。他の著作に『猫はためらわずにノンと言う』。
(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)
『猫は気まぐれに幸せをくれる』
- 著:ステファン・ガルニエ Stephane Garnier
- 訳:吉田裕美(よしだ ゆみ)
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発行:2019年
- NDC:159 人生訓、教訓
- ISBN:9784478108291
- 259ページ
- モノクロイラスト(カット)
- 原書:”Agir et Penser Comme Un Chat Saizon 2″
- 登場ニャン物:ジギー
- 登場動物:-