『江戸猫ばなし』
7人の作家による文庫書下ろし短篇集。
赤川次郎、稲葉稔、小松エメル、西條奈加、佐々木裕一、高橋由太、中島要による、江戸時代+猫のアンソロジー。どの話も優しく、化け猫が出てくるものでさえ、読んだ後に爽やかな風が吹き抜けていくようなものが集められています。
『主(ぬし)』赤川次郎
登場ニャン物:小夜姫
遊び人の男、化け物、三毛猫になった姫。赤川次郎らしいテンポの良い小品。
『仕立屋の猫』稲葉稔
登場ニャン物:たま
たまが縁で雇うことになった気の毒な娘と、気の良い仕立て屋夫婦の、心温まる物語。
『与市と望月』小松エメル
登場ニャン物:望月
昔、猫は鼠防御の秘策であり、よく鼠を捕る猫は高根の花だった。猫の絵さえ、鼠に効果があるといわれ、庶民の多くは安価な猫絵で鼠を防ごうとした。しかし、与市の猫絵は、ただの猫絵ではなく・・・。
『猫の傀儡』西條奈加
登場ニャン物:ミスジ、キジ、おシマ、他
ミスジは傀儡師に抜擢された。傀儡師とは、「猫の難儀を、人を使って片づける。これが傀儡師の役目だ」。さっそく、濡れ衣をきせられたキジを助けるため、ミスジは傀儡の阿次郎(人間)と歩きはじめる。
『ほおずき』佐々木裕一
登場ニャン物:ほおずき
落ちぶれた男の前に、ふらりと現れた猫。どこの猫なのか、
『九回死んだ猫』高橋由太
登場ニャン物:無名の猫、無名の黒猫。
すでに8回生きて、9回目の生を江戸時代の江戸で暮らす猫の、優しく、せつない小品。
『鈴の音』中島要
登場ニャン物:しろ
自慢の叔父は幼少時から秀才で、町家の出身ながら、望まれて旗本に養子にいった。ところがその叔父が養子先を追い出されたという。驚いた龍二郎が訳を問うと、原因は猫!?
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『江戸猫ばなし』
文庫書下ろし
- 編者:光文社文庫編集部
- 出版社:株式会社光文社 光文社文庫
- 発行:2014年
- NDC:913.6(日本文学)小説
- ISBN:9784334768058
- 312ページ