本村伸子『「胃腸が弱い」ではすまされない!』
『犬と猫のためナチュラルケアシリーズ4~LGSの危険信号~』。
ホリスティック医療の観点から書かれた獣医学シリーズ4冊目。
「LGS(Leaky Gut Syndrome)」という、あまり聞き慣れない病名が出てくる。腸管浸漏症候群のことである。
正確にはLGSは疾患ではなく、「消化管粘膜の透過性の上昇に関与した状態に対して用いられる言葉」であり、「簡単に言えば『腸管壁の細胞同士の間に大きな空間ができてしまうこと』」(p.26)である。
腸管壁に空間がある、つまり、穴が開いたような状態になってしまっているということで、そのため、食べ物(栄養素)だけでなく、細菌や毒素も体内に漏れてしまう。アレルギーを引き起こしたり、肝臓・リンパ腺・免疫系・内分泌系など様々な働きに影響を与える。
その結果・・・
炎症性腸疾患、肝炎、すい炎、食物不耐性、食物アレルギー、関節炎、腫瘍、糖尿病、副腎皮質機能亢進症、甲状腺疾患などの疾患、さらに、攻撃性、不安症、慢性の関節痛、ガスの貯留、下痢、便秘、消化不良、皮膚疾患などの症状とも関与するというのだから恐ろしい。
そのLGSをホリスティックに治すにはどうすればよいか?
さらに、他の様々な消化管疾患、肝臓や膵臓の疾患。それらを、薬に頼らずに、日頃の食事やサプリメントで予防あるいは改善させるにはどうすればよいか?
外傷ならわかりやすい。しかし、言葉を使えない猫たちの、消化管の健康状態はわかりにくい。猫はギリギリに悪化するまで外に出さない。それが動物の本能だから。外から見てわかるくらいに悪そうなときは、すでに手遅れな場合が多い・・・
それはよくわかっているのに、それでも気付いてあげられないもどかしさ、悔しさ、悲しさ。
せめてこういう本を読んで、体に良いものをなるべく食べさせてあげたい。だから、猫様お願い、好き嫌いを言わないで食べて欲しいんだけど!!
(2009.8.12.)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
犬とネコのためのナチュラルケアシリーズ
本村伸子 犬と猫のためナチュラルケアシリーズ6『ホルモンの異常に気付いていますか!?』
本村伸子 犬と猫のためナチュラルケアシリーズ5『ペットの老後を健やかに!』
本村伸子 犬と猫のためナチュラルケアシリーズ4『「胃腸が弱い」ではすまされない!』
本村伸子 犬と猫のためナチュラルケアシリーズ3『関節に関与する疾患と遺伝』
本村伸子 犬と猫のためナチュラルケアシリーズ2『アレルギーと皮膚疾患』
本村伸子 犬と猫のためナチュラルケアシリーズ1『ガン/腫瘍』
『「胃腸が弱い」ではすまされない!』
犬と猫のためナチュラルケアシリーズ4~LGSの危険信号~
- 著:本村伸子(もとむら のぶこ)
- 出版社:コロ
- 発行:2005年
- NDC:649(獣医学)
- ISBN:4990180348
- 99ページ
- モノクロ
- 登場ニャン物:-
- 登場動物:-
目次(抜粋)
はじめに
第1章 消化と吸収
1.消化と吸収 2.食べ物の旅 3.消化された栄養素の行方は?
第2章 腸管浸漏症候群(LGS)
1.LGSって何だ? 2.身体にこんな悪さをするLGS 3.これがLGSを引き起こす原因だった! 4.自分でできるLGSの改善方法 5.LGSの犬や猫の食事とサプリメント
第3章 胃腸のトラブル
1.胃腸のトラブルと自分でできる改善法 2.胃腸の弱い犬や猫の食事とサプリメント
第4章 肝臓疾患
1.肝臓の働きを知ろう 2.血液検査で肝臓の状態が分かる 3.肝臓の疾患と自分で出来る改善法 4.肝臓疾患の犬や猫の食事とサプリメント
第5章 すい臓疾患
1.すい臓の働きを知ろう 2.すい臓の疾患と自分で出来る改善法 3.すい臓疾患の犬や猫の食事とサプリメント
おわりに