ネコ百科シリーズ『ネコの繁殖と育児百科』
子ねこを拾ってしまったら、この本が役に立ちます。
ネコの繁殖と育児に焦点を当てて書かれた本。
要するに、ネコを繁殖させたい人用の本である。
一番最初の出だしは一応、「なぜ子ネコが欲しいのですか?望まれない子ネコ」という章ではじまっている。
・・・ネコは家畜ですから繁殖を人が管理する必要があります。家畜である以上、勝手に繁殖してはいけませんし、まして野生化して、勝手に増えていいわけがありません。管理されない家畜の繁殖は、人にとって必要がないものですから、生まれた子ネコが不幸な結果になるのは言うまでもありません。残念ながら、管理されない繁殖も多く、不幸な子ネコをいつも見ることになります。
まず、子ネコが欲しいと思ったら、このような子ネコの存在も頭の片隅に置いて下さい。
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それだけ分かっているのなら繁殖させるなよ~と言いたい。
世の中には、よく分かっていない人が多く、例えば私が
「繁殖反対。日本にはこれ以上ブリーダーはいらない」
と書くと、血統書猫を飼っている人から
「どうしてうちの子を否定するんですか!」
とヒステリックな反論を受けたりする。
それも一人や二人ではない。
断っておきますが、私は決してあなたたちの愛猫の存在を否定しているわけではありません!
今生きて今かわいがられている血統書猫は、どうかそのまま大事にかわいがってあげて下さい。
ただし、忘れないでいただきたいのです。
今日本では毎年毎年30万近い猫達(ほとんどが子ネコ)が、アナタが払った税金を使って窒息死させられているという事実を。
安楽死ではありません。窒息死です。
捨てられたり人知れず死んでいくネコの数はその数倍でしょう。
保健所に連れて行けばその猫は殺されると多くの人が知っていて、それはなんとなく後味悪いからと、拾われる可能性に託して、保健所に行く以上に多くの子ネコが捨てられるからです。
が、捨てられた子ネコのほとんどは死んでしまう。
日本には今推定800万頭のネコがいる(注・執筆当時)といわれていますが、その一方で、おそらく60万頭以上、下手すると毎年100万頭もの猫達が、人の手で殺されているのです。
この比率を日本人の人口に換算すると、非常に大雑把な計算ですが、毎年1000万人の日本人が、意味もなく殺されているのとほぼ同じこととなります。
東京が毎年消滅しているようなもの。
空恐ろしい数字ではあります。
それでも、アナタは繁殖させますか。
すると、ヒステリックな人がまた叫ぶ。
「猫全部に不妊手術してしまったら、猫が絶滅してしまう」
と。
馬鹿な!
猫が供給過剰状態であっても、なお繁殖させたがるのがブリーダーという人種。
もし万が一猫が希少価値となったら、彼らはますます血眼になって繁殖させるでしょう。
絶好の金儲けですからね。
だからアナタが生ませなくても、絶対に猫は絶滅しません。
断じて。
どこかのバカな金亡者がちゃんと繁殖させますから。
ですので、どうぞご安心下さい。
この本を読んで、ブリーダーしようなんてバカでドアホな考えは起こさないでください。
今の日本にこれ以上ブリーダーは要りません。
で・・・
私がこの本を買った理由は、もちろん自分が繁殖させるためではなく、拾った子猫を人工哺乳で育てる参考のため。
それには役立つ情報がかかれています。
また、毛色の遺伝や、子ネコの成長表(ただし私の版ではアビシニアンとヒマラヤンの成長表がまったく同じ数字となっている。誤植でしょう)、遺伝性疾患、伝染病の管理、繁殖生理と生殖器の病気、などについて書かれています。
だから参考資料として使えます。
保護した子猫を育ててるため、それ以外の使い方はしないように、どうかどうか、お願いします。
(2004.5.24)
【ご参考までに】
猫を繁殖させたい方、避妊・去勢手術に反対の方は、どうかご覧ください。
⇒多頭飼育崩壊事例
多頭飼育崩壊にいたる事例の多くが、最初はわずか2~3頭の猫たちからはじまっています。
⇒猫算物語
手術しないと、あっという間に・・・!!!
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ネコの繁殖と育児百科』
ネコ百科シリーズ
- ネコ百科シリーズ編集部編
- 出版社:誠文堂新光社
- 発行:2002年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
- ISBN:4416702051 9784416702055
- 159ページ
- カラー
- 登場ニャン物:多数
- 登場動物:-
目次(抜粋)
序文
ネコ種アルバム
子ネコが欲しい
ショーキャットを作りたい
ネコの遺伝
楽しい子ネコ
交配と妊娠
出産
子ネコの成長と育て方
登録
繁殖生理と生殖器の病気
遺伝性疾患
伝染病の管理
去勢と避妊
子ネコの病気と衛生管理
ネコのクラ住所録
INDEX索引
執筆者紹介