さとうわきこ『ぼく そらをさわってみたいんだ』

絵:岩井田治行。絵本・子どものくに18
幼児用の絵本です。
小さな子猫が、空を触ってみたいと思い、動物達に協力をたのみます。
まず、カメの背中に乗って背伸びしますが、もちろん、届きません。
次にキツネ+カメの背中に乗りますが、まだ届きません。
次にブタ+キツネ+カメの背中に乗りますが、まだ届きません。
こうして次々に頼んで、さいごには、ゾウ・カバ・クマ・ブタ・キツネ・カメ・子猫の組体操ならぬ組梯子?ができああります。
そのとき、思いがけぬ事件がおこります。
かわいい絵本なんですけれど、動物達は、幼児用の絵にしては、けっこう写実的に描かれていると思います。
必要以上にかわいく描くというか、マンガチックにデフォルメされたりしてはいません。
そこが私はとても良いと思います。
大人用の絵なら、いくらデフォルメしてもかまいませんが、幼児用のものは、幼児用であるからこそ、変にデフォルメしない方が良いんじゃないかと思うのです。
幼児の頭はまだ柔らかくて真白なんですから、まずは本物を教え、それからアレンジしていくべきではないかど。
ま、リアリティという意味では、アカギツネ(多分)と、ヒグマ(多分)と、カバと、インドゾウ(多分)が、同じ場所にいるのは不自然といえば不自然ですが、そこまでは言わないで良いでしょう。
(多分、と書いたのは、絵を見た私の判断であり、著者自身がどう設定していたのかはわかりません。)
なんといっても幼児用 =^_^=
この本の大きな特徴は、紙面を縦に使っているいうことです。
空に向かって手をのばす子猫、その空の高さを表すために、ふつの本のように横ではなく、縦にひらきます。ちょっと面白い。
それとも、こういう使い方って、幼児本ではよくあることなのでしょうか?

さとうわきこ『ぼく そらをさわってみたいんだ』

さとうわきこ『ぼく そらをさわってみたいんだ』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ぼく そらをさわってみたいんだ』
絵本・子どものくに18
- 作:さとうわきこ
- 絵:岩井田治行(いわいだ はるゆき)
- 出版社:ポプラ社
- 発行:1986年
- NDC:26(マンガ、絵本)幼児用絵本
- ISBN:4591023087
- ページ
- カラー
- 登場ニャン物:無名
- 登場動物:カメ、キツネ、ブタ、クマ、カバ、ゾウ、カミナリの子