林良博『ペットは人間のお医者さん』
副題:共に暮らすための知恵と実践。
アニマルセラピーの本。
書かれている興味も立場も、あくまで人間側。この著者はあきらかにイヌ派で、ネコについては仕方なく必要最小限のことを言及しているにすぎないと言った感じ。
興味を感じたのは、第3章“区分所有とペットを飼う権利”で
「しかし、このように(ペット禁止)規定されているからといって、個人の権利が保障されていないわけではない。わたしたちは、それが著しく共同の利益に反する行為でなければ、個人として『幸せを追求する』権利が憲法第一三条で保証されている。ペットと集合住宅で暮らすことが、その人にとって幸福の追求にあたるのであれば、それは最大限尊重されなければならない。したがって、ペットの飼育を禁止する条項が管理規約にあるマンションは、ペットと暮らしたいと願う人にとっては『憲法違反のマンション』にみえても不思議はない。」
まさにその通りだ。
著者は東京大学農学部教授、農学博士。
(2002.4.19)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ペットは人間のお医者さん』
共に暮らすための知恵と実践
- 著:林良博 (はやし よしひろ))
- 訳:姓名(ひらがな)
- 出版社:東京書籍
- 発行:2001年
- NDC:480(動物学) 489.53(哺乳類・ネコ科) 645.6(家畜各論・犬、猫) 726(マンガ、絵本) 913.6(日本文学)小説 914.6(日本文学)随筆、エッセイ
- ISBN:4487797039
- 238ページ
- 登場ニャン物: -
- 登場動物: -
目次(抜粋)
- まえがき
- 第一章 アニマルセラピーで健康を取り戻す
- 飼い主の危急を救った犬たち
- イヌに備わる驚異の嗅覚
- その他
- 第二章 日本は《ペット後進国》なのか
- 誤解を招く「イヌは家畜化されたオオカミ」
- イヌはなぜペットの主役になったか
- その他
- 第三章 ペットと人の望ましい共同生活空間
- マンションは西洋長屋
- マンションのペット飼育制限
- その他
- 第四章 近頃話題のイヌ・ネコ事情
- 芸をするイヌたちにギャラは支払われているか
- 美食家のネコとなんでも食べるイヌ
- その他
- 第五章 もしもペットが話せたら
- ぼくは「フリョウケン」なのかな?
- 「やっとわかったぞ、フリョウケンの意味が」
- その他
- あとがき
- 巻末資料
- 参考資料
- 参考文献