映画『マリと子犬の物語』

映画『マリと子犬の物語』

 

本当にあった物語の映画化。

2004年10月23日、新潟中越地震の時の実話に基づく本の映画化。
原書は『山古志村のマリと三匹の子犬』桑原 真二/大野 一興著、文芸春秋、ISBN:9784163669601

タオルを用意してからご覧ください。
ハンカチではきっと足りないでしょう。
涙腺に自信のある方(?)は、バスタオルの方が良いかもしれません。

石川家は、祖父・勇造、父・優一、息子・亮太と娘・彩の4人暮らし。
雄一の妻(亮太と彩の母)はすでに他界。
優一の妹・冴子がときどき訪問して、まだ幼い子供たちの世話をしてくれます。

子供たちはある日、子犬を拾いました。
優一は犬嫌いでしたが、祖父と子供たちに押し切られ、結局飼うことに。

マリと名づけられたその犬は、家族として深く愛され、すくすく育ちます。
可愛い子犬も3頭も産みました。

しかし、その直後・・・

マグニチュード6.8の大地震。
新潟中越地震です。

幸い優一と亮太はたまたま離れた場所にいて無事でしたが、祖父と彩が倒壊した自宅の下敷きになってしまいました。
マリは血だらけになりながら瓦礫を掘って二人を発見。
自衛隊員を引っ張ってきて、二人とも無事救助されます。
マリ、お手柄。

なのに、・・・・

自衛隊の救助ヘリコプターに、マリたちは乗せてもらえませんでした。
彩がどれほど泣き叫んで頼んでも、緊急時は人間優先。
どうしようもなかったのです。

マリも、生まれて間もない子犬たちも、廃墟と化した村に置き去りにされてしまいます。

彩たちが山盛りに残したドッグフードは、他の犬たちに食べられてしまいました。
マリは、自力で、自分と子犬たちの餌を探さなければなりませんでした。

一方、避難所生活の亮太と彩も、マリが心配でなりません。
まだ生きているだろうか!
子犬たちは無事だろうか!

嵐が近づくある日、とうとう幼い兄弟は、無謀にも二人だけでマリ救出に向かってしまいます。

実話に基づく映画。
ファミリー映画だから、マリたちは無事救出されるに決まっている。それはわかってます。
子供たちも無事救出される。それもわかってます。
わかっていても、泣けて仕方ありませんでした。

登場人物は善人ばかり。
自衛隊のお兄さんは最高に優しくカッコイイ。
幼い兄弟にヘリコプター搭乗権を譲る村人もカッコイイ。

そしてなにより、
逞しく生き抜いたマリがカッコイイ。
子犬たちが最高に愛くるしくてカワイイ。

でも、心温まる話は、映画の中だけではありません。
後日談があります。
映画にも本にも出てこない後日談ですが、ぜひ皆様に知っていただきたいことです。

新潟中越地震の7年後、2011年3月11日に、東日本大震災が起こりました。
多くの避難者がペット連れでしたが、多くの避難所で、ペットは断られてしまいました。

が、新潟県は、新潟県だけは、最初から「当然のこととして」ペット同伴を受け入れてくださったのです。

愛するペットと一緒に避難できて、どれほど多くの人々が救われたでしょう。
その話を聞いただけで、どれほど多くの人々が安堵の微笑みを浮かべたでしょう。

新潟県は、マリたちの経験を決して無駄にはしませんでした。
機敏に対応し、暖かく対処してくれました。
本当に、本当に、有難いことです。

マリ、君たちのがんばりで、たっくさんの命が、心が、救われたんだよ。ありがとう!

P.S.それにしても、DVDのカバー写真、どうして子犬だけなの?どうして肝心のマリがいないの?
ったく、マスコミの子犬・子猫信仰もここに極めりって感じですよね。ため息。

(2013.2.10.)

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『マリと子犬の物語』

 


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映画『マリと子犬の物語』

6.5

動物度

7.5/10

面白さ

7.0/10

猫好きさんへお勧め度

5.0/10

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