群ようこ『ビーの話』
お隣さんの猫は、超甘えん坊で気まぐれ。
群ようこさんの猫エッセイといえば、『トラちゃん』と並んで、この『ビーの話』。
『トラちゃん』は、自分の家の猫の話であるのにひきかえ、『ビー』は、最初から最後まで他人の家の猫や野良猫たちの話である。
自分の家の猫に関するエッセイは多いけれど、他人の猫の話だけで本を一冊書いちゃうなんて珍しい。
さすが群さん。
とはいっても、マンションのすぐ隣の猫で、群さん宅とはベランダから出入り自由である。
ビー自身は、どちらも自分の家と信じて疑わないでいるのだろう。
群さんは救いようのない猫好きだから、ビーにもうメロメロで、猛烈に甘やかし、可愛がっている。
あれでは飼っているのと全然変わらない。
その他、“きれい通り”だの“きたな通り”だのと名前をつけて、そこにたむろする野良猫達を事細かに観察している。
最初から最後まで猫ぎっしり、猫のことしか書いていない、猫話集である。
超お勧め。
(2002.4.10)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ビーの話』
- 著:群ようこ(むれ ようこ)
- 出版社:筑摩書房 ちくま文庫
- 発行:1999年
- NDC:914.6(日本文学)随筆、エッセイ
- ISBN:448003692x 9784480036926
- 278ページ
- 登場ニャン物:ビー、ハッシー、キメ、きたなマスク、チャー、クロ、モップ、トリオイ、ミーコ、おとちゃん、レノ、しい
- 登場動物:-