仁尾智『猫のいる家に帰りたい』
イラスト:小泉さよ。猫飼いなら、全部、あるある!
短歌といえば、五七五七七。でもそんなこと、気にしない。
中には歌というより短い文章のような句もあります。いーじゃないか、なんだって。
心の琴線にふれる言葉は、どれほど字余りであろうと、歌です。猫短歌です。
すばらしいです。
黒猫は見分けられても
ももクロもAKBも見分けられない
はい、はい、はい!
私もです。
かろうじて見分けられるのはSMAPくらい・・・あ、もう随分前に解散しちゃってましたね。
もらわれていった子猫に
この家を思い出さない未来を望む
私も、里親様に、まったく同じことを言った記憶があります。私のことなんかスッカリ忘れて、生まれた時からこの家で幸せに暮らしてきたかのような猫になってほしい、と。
「あの頃はかわいかった」と
過去形で猫に言及したことがない
おっさん猫になっても、婆あ猫になっても、ずっと猫は可愛いままどころか、もっとどんどん可愛くなっていく、それが猫という生き物です。
そして・・・
突然、涙腺が崩壊して、涙ボロボロとまらなくなった歌。先月愛猫ハナを亡くしたばかりなので。まだ17歳だったのに・・・
猫たちよ
いくつで死んでもいいよ
でも老衰以外で死なないでくれ
そうなのに!
そうなのに!!
そうなのに!!!
老衰意外で逝ってしまうなんて。
ハナちゃん。
私のハナちゃん。
・・・と呟きながら、しばらく泣いてしまいました・・・・
でも。
誕生日すらわからない猫なので
命日くらい見届けるのだ
うちの子も、全員、そう。
だから私も、ますます覚悟を決めて、猫達が「老衰」で死ぬまでしっかり見届けてやるぞと、固く決心するのでした。
めっちゃお勧めの一冊です。イラストの猫達もみんなかわいいです。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
著者について
仁尾智(にお さとる)
猫歌人。『猫びより』で「猫のいる家に帰りたい」姉妹誌『ネコまる』で「猫の短歌」を連載中。
小泉さよ(こいずみ さよ)
おもに猫を描くフリーイラストレーター。著書に『猫ぱんち――二匹の猫との暮らし――』『和の暮らし』『もっと猫と仲良くなろう!』『さようなら、ちょうじろう。』『うちの猫を描こう!』等。
(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)
『猫のいる家に帰りたい』
- 短歌・エッセイ:仁尾智(にお さとる)
- イラスト:小泉さよ(こいずみ さよ)
- 出版社:辰巳出版株式会社
- 発行:2020年
- NDC:911(日本文学)和歌・短歌
- ISBN:9784777825318
- 111ページ
- カラー
- 登場ニャン物:多数
- 登場動物:-