麻生圭子『ネコが元気をつれてくる。』
『今、私は十のうち、七くらいの力で生きています』。
私、30代、独身、実はバツイチ。リストカット常習犯。
ポルク、ヒマラヤンの女の子。ブリーダーの家で生まれペットショップに卸された。つまり幼少時代に人の温かさに触れる機会がなかった。
そんなふたりが寄り添って生きている。
電話も出ない。FAXがはいっても読まない。誰かが来ても知らん顔。ポルクのエサやトイレの面倒は見るが、手は洗っても、顔は洗わない。パジャマも脱がない。鏡も見ない。
日が暮れるまで寝て過ごす。
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著者は、それでも、なんとか生きている。
そして
元気な思考回路を手に入れることが出来たのは、すべてネコのおかげです。それを言いたくて、今回、こんな本を書いてみることにしました
page 7
ここでいう“元気”とは、世間をにぎわせている人達のようなエネルギッシュなタフさのことではもちろんない。
死なずにすむという程度の元気。
それでもよい。
10の力を出し切るばかりが人生ではない。
7の力でのんびり生きていこう。
ネコを見習って、ネコのように自然体で。
・・・そんな麻生さんのエッセイ集です。
心が疲れた人に、とくにお勧めです。
(2005.3.17)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ネコが元気をつれてくる。』
- 著:麻生圭子 (あそうけいこ)
- 絵:三好貴子
- 出版社:PHP研究所PHP文庫
- 発行:2002年
- NDC:914.6(日本文学)随筆、エッセイ
- ISBN:4569577210 9784569577210
- 221ページ
- モノクロ挿絵
- 登場ニャン物:ポルク、無名(シャム君)
- 登場動物:-
目次(抜粋)
はじめに ネコからの贈り物
雨の日は、ネコと一緒に眠っていたい。
せめてネコのように、自分のことも愛したい。
風にそよぐネコ、土とたわむれる私。
彼女は気まぐれ、「補聴猫」。
ネコ語が喋れる女は、男の嘘がわかる。
ネコはネコらしく、あなたはあなたらしく。
ネコ派の女が、結婚に向かない、二、三の事情。
ネコは私のセラピスト。
別れの美学をネコが教えてくれた。
仔ネコのような女がモテる。
ネコに学ぶダイエット。
悩みだしたらネコに訊く。
ポルク、私がママよ。
未来はみーんな、ネコが知っている。
ネコは合いを信じてる。
悲しいときはネコになろう。
しあわせは、心の筋肉でつくられる。
健全なネコは、健全な家庭に宿る。
私たちの信頼のカタチ。
おわりに 文庫化に寄せて