新田一実『キャットウォーク事件簿 No.3』
宝塚のトップスターのような美男子、否、美少女が・・・!?
事件簿No.2で知り合った美人学生・瀬田が、悠次を犬使いとみこんで、厄介な頼み事をしてきた。
悪魔的美少年・将でさえ、タカラヅカ風美男子(?)瀬田の頼みとあれば断れない。
さっそくタマに探偵を頼むが、そのタマが行方不明に。
そして、事件は思いがけない方向へ進展していく。
この作品でも殺人はありません。
殺猫も殺犬もありません。
が、内容的に軽いわけではありません。
むしろ扱っているテーマは、単純な殺人(?)より、社会的かつ現代人の心理的には重い物かも知れません。
というのも、最近の異常なペットブームに疑問を投げかけた作品だからです。
若い読者が内容を深く読み取ってくれればよいのですが・・・
あまり期待しない方がよいかなあ。
両シリーズの中では私の一番のお勧めとなりました。
(2004.12.3)
キャットウォーク事件簿シリーズ
内容的には、「ペット心理療法士シリーズ」のまったくの続編です。
登場人物も、登場動物も、設定も、何もかわっていません。
シリーズ名だけの変更です。
まあ、悠次も将も、ペット心理療法士としての活躍はしていないわけですから、こちらのシリーズ名の方が妥当かもしれませんね。
「キャットウォーク事件簿」から読み始められてもあまり支障はありませんが、できれば「ペット心理療法士シリーズ」の方から読まれることをお勧めします。 重たい文芸作品ではありませんから、どうぞ気楽に、両シリーズ読破をめざしてください。
このシリーズはさらに「キャットテールレポート」シリーズへと続きます。
【まとめ:悠次・将・タマのシリーズ】
・ペット心理療法士シリーズ No.1-6
・キャットウォーク事件簿シリーズ No.1-4
・キャットテールレポートシリーズ No.1-7
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『キャットウォーク事件簿 No.3』
- 著:新田一実(にった かずみ)
- 出版社:小学館パレット文庫
- 発行:2004年
- NDC:913.6(日本文学)小説
- ISBN:4094214992 9784094214994
- 237ページ
- 登場ニャン物:タマ
- 登場動物:シェパード、ほか