新田一実『キャットテールレポート No.5』

新田一実『キャットテールレポート No.5』

 

この世に、牝猫の魅力にかなう人間の女なんて、いにゃいのにゃ~。

最近の学生の就職事情は厳しいらしいが、悠次は犬の縁でとうに決まっている。
将も伯父の会社にコネ就職が決まっている。

就職活動に飛び歩いている友人達を横目で見ながら、のんきな毎日を送っているふたりであった・・・

はずだったのに。

将の就職先の社長は伯父さん、つまり、将の父親の兄。
言い換えれば、あの婆ちゃんの息子。

そう、伯父の明朗は、あの婆ちゃんそっくりな性格でもあったのだ。
つまり、言い出したら聞かない、身勝手で人使いが荒い、食い意地が張っているが自分では作らない、等々。

結果、将はつとめる前から早くも良いように使い走りさせられることに。

それが伯父の“恋人”に知られ、あらぬ疑いをかけられることに。

なんと伯父の“恋人”は男だった!
それもド派手な奴。

その恋人が行方不明になって・・・

ところでこの本、女性がほとんど出てこないんですよね。
宝塚の男役もどきの美青年(?)な長身女は出てきたことがあるけど、最近は彼女も登場しないし、ほかの女性達は全然魅力的ではない。
今回なんか男ばかり・・・婆ちゃんや年配の女性がちらりと出てくる程度で。

にもかかわらず、めっぽう“女性的な”タマという怪猫が頻繁に登場して、嫉妬したりふてくされたりこびを売ったりするので、ちゃんとバランスはとれているんですね。
魅惑的な猫が相手では、人間の女性なんてかなうはずないもんね。

(2006.2.12)

新田一実『キャットテールレポート No.5』

新田一実『キャットテールレポート No.5』

キャットテールレポートシリーズ

「ペット心理療法士シリーズ」、「キャットウォーク事件簿シリーズ」の続編。

登場人物/動物はすべておなじみのメンバー。悪魔的美少年の将、とろい大男の悠次、怪猫タマ、無口で頼りになるシェパードのカイザー、など。

必ずしも最初の巻から読む必要はありません。どのシリーズのどの本から読み始めても、話が分からなくて困るということはないと思います。

とはいえ、軽くて読みやすい推理小説ですから、どうせなら最初から順番に読まれることをお勧めしたいです。すぐに読めます。

【まとめ:悠次・将・タマのシリーズ】
・ペット心理療法士シリーズ No.1-6
・キャットウォーク事件簿シリーズ No.1-4
・キャットテールレポートシリーズ No.1-7

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『キャットテールレポート No.5』

  • 著:新田一実(にった かずみ)
  • 出版社:小学館パレット文庫
  • 発行:2006年
  • NDC:913.6(日本文学)小説
  • ISBN:4094215757 9784094215755
  • 245ページ
  • 登場ニャン物:タマ、ユキ
  • 登場動物:シェパード、カラス、ほか

 

 

著者について

新田一実(にった かずみ)

里見敦子と後藤恵理子の2人で共同執筆。同居猫は1匹減って現在4匹。相変わらず、アリガトウでもなければ、ご苦労様でもないけれど、最近は、こいつらがいなかったら新田は大喧嘩して終わってたんじゃない?なんて思ってます。やっぱ、猫は和むわ。猫バカぶりは変わってないし。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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新田一実『キャットテールレポート No.5』

7.9

猫度

7.5/10

面白さ

7.5/10

猫活躍度

9.0/10

猫好きさんへお勧め度

7.5/10

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