新田一実『ペット心理療法士 事件ファイル』
ペットの言葉が理解できるようになったら?
ある日突然、ペットの言葉が理解できるようになった悠次。
当然だけど、わけがわからず、とまどいまくる。
悠次と一緒に暮らしている将は、どうして自分ではなく、悠次にそんな能力が備わったのか、内心羨ましくてならない。
将の方が悠次より、頭は良いし、ルックス抜群だし、女性にもモテまくりなのに(でも将って女性にあまり興味がないみたい?)。
そんなある日、「うちの猫が何かを訴えている」という女性に出会い、悠次は猫の言い分を聞くために女性の部屋へ出かけていく。
悠次にはタマという優秀な助手猫、否、師範猫がついていて、なにかと頼りになる。
タマは実はふつうの猫ではなく、ネコマタらしいのだが・・・
かくて、天下無敵の朴念仁・悠次と、天下無敵の美少年・将と、天下無敵の怪猫・タマのトリオができあがった。
ほかの動物たちの助けを借りて、難事件を解決していく。
(2004.02.29)
ペット心理療法士シリーズ
尾鷲悠次は大学生。体は人一倍でかいが、気が優しくてとろくて動物にしか持てない男。親友の浅川将は悪魔的美青年。悠次と違い、頭の回転が鋭く口先がうまい。そして、不思議な猫、タマ。将の飼い猫なのだが、何年生きているのか分からない、天才的に賢い猫。悠次と将とタマは、将の祖父母の離れに同居している。
ある日突然、悠次はペットの言葉が理解できるように!
娯楽ミステリーです。パレット文庫ですから、マンガを見るような感覚でさらっと読めます。犬猫の扱いも◎。
悠次と言葉が通じるのは人間にかわいがられているペットに限る、という設定に非常に納得しました。年老いた飼い犬・飼い猫でも、飼い主にかわいがられていない子はちゃんと話せません。実際に動物と同居した経験がなければこのような設定はできないと思います。かわいがられている犬猫は人語を解しますよね。動物達が生き生きと描かれています。「ペット心理療法士」として動物を診る話ではなく、動物達を味方に付けて事件を次々に解決していく大学生の話です。
「ペット心理療法士」シリーズは、「キャットウォーク事件簿」シリーズ、「キャットテールレポート」rシリーズと続いていきます(シリーズ名が変わるだけで、内容は完全に連続しています)。
【まとめ:悠次・将・タマのシリーズ】
・ペット心理療法士シリーズ No.1-6
・キャットウォーク事件簿シリーズ No.1-4
・キャットテールレポートシリーズ No.1-7
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ペット心理療法士 事件ファイル No.』
- 著:新田一実(にった かずみ)
- 出版社:小学館パレット文庫
- 発行:2003年
- NDC:913.6(日本文学)小説
- ISBN:4094214917 9784094214918
- 235ページ
- 登場ニャン物:タマ、ロキ
- 登場動物:犬