ペリン『動物のお医者さんは毎日が冒険!』
身長2m超の新米獣医が、牛や馬を相手に奮闘。
ペリン先生は新米獣医さん。
無謀にも大学を卒業してすぐカナダの田舎町クレストンで開業した。
ボロボロの家、電話すらない生活、次々とやってくる個性豊かな患者(患畜)たち。
孤軍奮闘のペリン先生のおもしろドタバタエッセイ集です。
土地が土地なので、患者のほとんどは、牛・馬・ヒツジなど、大型の畜産動物。
牛や馬は病院には来てくれない、雨の日も雪の日もペリン先生がおんぼろ車を走らせて往診。
天気の悪い日に限って難産のお呼びがかかる。
相手が牛や馬では、土木作業並みの力仕事である。
生傷が絶えない先生。
もちろん犬猫も診る。
時には悲しい選択(安楽死)も選ばないとならない。
イギリスのヘリオット先生を連想しました。
よく似ていらっしゃいます。
大変な業務をこなしながら、おおらかに、明るく、動物達の命を助けようと一生懸命。
猫はほとんど出てきません。
アルバートの話ひとつだけ。
土地柄、猫の患者があまりいないのか、それとも、ペリン先生が猫にあまり興味がないからかわかりませんが、その点がちょっと寂しい気がします。
でも、牛や馬と格闘する身長2mの若い先生の話は、動物好きなら誰でも面白いと思うでしょう。
都会で耳をピンクやパープルに染めた室内犬の肥満対策をするより、ずっと楽しそうだし、やりがいもありそうです。
(2005.5.28)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『動物のお医者さんは毎日が冒険!』
- 著:ディヴィッド・ペリン David Perin
- 訳:高橋佳奈子
- 出版社:ヴィレッジブックス
- 発行:2003年
- NDC:934(英文学)エッセイ、随筆 カナダ
- ISBN:4789721698 9784789721691
- 453ページ
- 原書:”Don’t Turn Your Back in The Barn” c2000
- 登場ニャン物:アルバート
- 登場動物:牛・馬・ヒツジ、ほか