林丈二『猫はどこ?』
さまざまなシーンに、猫が登場。
著者は
猫がきらいではないが、飼おうと思ったことはない。だいたい僕はわがままで無責任だし、自分のことで精一杯、猫の世話をするなんて考えられないのである。
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などとおっしゃっている。
しかし、この本の内容は面白い。
「吾輩は猫である」の子孫猫を探しに、漱石の住宅跡付近をうろうろしたり、「マンホールの上にたった自分の足に擦り寄ってきた外猫の写真を撮ろう」と、妙な細部にまでこだわって、カメラ片手に一日歩き回ったり、わざわざ「猫」のつく地名にでかけて猫を探したり、パリに行けば「古絵はがき屋」で猫の絵はがきを大量に買い込んだり・・・
こういう猫との接し方もあるのだなあ、と納得してしまう。
猫の写真が沢山、その他「招き猫ビル」の写真がおかしい。
古絵はがきは情緒あふれる絵柄が良い。
残念なのは、白黒が多いこと。
これが全部カラーならよかったのに。
(2002.4.10)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『猫はどこ?』
- 著:林丈二 (はやし じょうじ)
- 出版社:講談社文庫
- 発行:2001年
- NDC:914.6(日本文学)随筆、エッセイ
- ISBN:4062732416 9784062732413
- 234ページ
- 登場ニャン物:町の中で出会った猫たち
- 登場動物:-
目次(抜粋)
キャットウォッチング
『吾輩は猫である』の子孫探しの続き
江の島・猫島
ほか
猫の居場所
猫はどこにいるか?
猫と車
ほか
古猫の尾話
特に明治の新聞記事から
猫玉
広告猫
ほか
猫の尾まけ
猫の古絵葉書を楽しむ
ヨーロッパには古絵葉書屋というものがある
猫、あとがき
解説 恒松郁生