石田祥『猫を処方いたします。6』

本物の生きた猫を処方するびょういん。
中京こころのびょういんは、どこにも宣伝は出していないし、検索しても何故か出てこない、不思議なびょういん。人づてに「良いメンタルクリニックがある」と聞いた患者だけが、ウロウロ探し回ったあげく、やっと見つけることができます。
千歳看護師が去り、今びょういんにいるのは、ニケ先生ひとりだけとなりました。
あらすじ
彼は東京で友人と起業していたが、父親の健康悪化で京都にもどり、実家の事業を継いだ。といっても、商店街の中のちっぽけなペットショップだ。従業員もいない。文字通りの孤軍奮闘。次第に行き詰まり、精神的にも追い詰められたときに、昔の同級生にすすめられたメンタルクリニックを訪れたところ、本物の猫を処方され「?」。
かたや、推し活に励む女性。その大事な推しのグループ仲間が不祥事を起こし、その影響で推しも活動自粛、推しのSNSは荒れまくり、彼女まで精神不安定に。
こちらの主婦は、愛猫に以前のように接することができなくなってしまった不安。
そして、須田動物病院の心先生も。先生には人に話せない事情があって、先生も追い詰められていた・・・

感想
やわらかなトーン、ふわふわと頼りなさそうで暖かく、気づきもしなかった小さな汚れまでいつのまにか落とされていくような。今回も癒やし満載の一冊でした。さすが日本だけでなく、海外でも累計100万部を突破したというシリーズ。なんと36の国と地域で翻訳出版されているそうですね。なんでも日本のこういう系統の小説は「ジャパニーズ・ヒーリング・フィクション」として今や世界中でひっぱりだことか。
それも納得というもの。プーチンのウクライナ侵攻にはじまって、トランプ・ネタニヤフがはじめたイラン戦争その他、最近の世界は殺伐としています。せっかく(比較的)平和な世界が続いていたのに、このわずか数年で百年も引き戻されたかのような「力の支配」がそこら中に出てきました。(それにしてもイラン戦争はトランプの大失策だと思いますけど!思い上がりすぎの自己中バカ野郎めが!怒!!)
こんな世の中だからこそ、猫が必要なのです。猫に処方される必要があるのです。猫様にしかそんなことできません。猫様万歳の、猫様ありがとうなのです。
心が疲れている方、社会や世界情勢に絶望している方、なんとなく眠れない方、元気いっぱい健康な方。どんな方にもおすすめです。「猫を処方いたします。」シリーズ。この6巻目もますます癒やしたっぷりです。どうぞお楽しみ下さい。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像にあえてボカシをいれる場合があります。ご了承ください。

目次(抜粋)
- 第一話
- 第二話
- 第三話
- 第四話
著者について
石田祥(いしだ しょう)
2014年、第9回日本ラブストーリー大賞へ応募した『トマトの先生』が大賞を受賞しデビュー。『猫を処方いたします。』が第11回京都本対象、第13回うつのみや大賞文庫部門大賞を受賞。 著書に「猫を処方いたします。」シリーズ、「ドッグカフェ・ワンノアール」シリーズ、『元カレの猫を、預かりまして。』『夜は不思議などうぶつえん』『火星より。応答せよ、妹』『にゃんずトラベラー』がある。
(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)
『猫を処方いたします。6』
- 著:石田祥(いしだ しょう)
- 出版社:株式会社PHP研究所 PHP文芸文庫
- 発行:2026年
- NDC:913.6(日本文学0)小説
- ISBN:9784569906010
- 260ページ
- 初出:文庫描き下ろし
- 登場ニャン物:グラブ、スリッパ、タンジェリン、ゴンタロウ、シマン、プリン、モコ
- 登場動物:


