布浦翼『ぴくぴく仙太郎』

ベストセラーのウサギ+猫マンガ。

主人公は、ウサギの仙太郎。
イラストレーターのばくちゃんと暮らしています。
仙太郎とばくちゃんの毎日を描いた、ほのぼのマンガです。

ウィキペディアによりますと、「『BE・LOVE』（講談社）にて1993年12号[1]から2011年22号[2]まで連載された。2011年5月現在で「BE・LOVE KC」のレーベルから刊行された単行本は全37巻であり、累計発行部数が300万部を越えるロングセラー作品である」。

私が持っているのは、全37巻のうち、とびとびに14冊だけですが、立ち読みを含めれば、多分全話読んでいます。

ばくちゃんは典型的な独身男で、料理も掃除も手抜き（というか、ほとんどしない）、だけど仙太郎のことは目に入れても痛くないほどかわいがっています。
自分はろくな食事をとらないが（金欠でとれないことも）、仙太郎には新鮮な野菜をいつも買ってきます。
もし台風が来ると予報されれば、仙太郎の避難グッズを揃える為に奔走し、自分のコトや仕事のコトは完全に忘れてしまいます。
自分は医者にいったことがないが、仙太郎のこととなると、実に些細なことで頻繁に獣医さんに相談する模範飼い主さんです。時には裸足のまま駆けつけたりもします。

まさに仙太郎命！の、ばくちゃんなんです。

その仙太郎の一番の親友が、猫のみやちゃん。

知り合ったきっかけは、まだ子猫だったころ、みやちゃんは迷子になってしまい、酔っぱらったばくちゃんが連れて帰ったというものでした。
そういえばばくちゃんが初代仙太郎と暮らすようになったきっかけも、酔っていたからでした。（今の仙太郎は二代目です。）
みやちゃんは無事おうちに帰りますが、その時以来、みやちゃんと仙太郎はずっと仲良しで、飼い主の早苗ちゃん（女性ですが残念ながらまだ小学生）と一緒に、頻繁に遊びに来ます。

バクちゃんがはじめてみやちゃんと出会った場面。

この仙太郎とみやちゃんが、猛烈にかわいいんです♪
（しかも、みやちゃん目が寄っててかわいい～うちのトロみたい♪）

仙太郎とみやちゃんには、他にもお友達がいます。
仙太郎にそっくりな善太郎君やロップイヤー種（ウサギ）のロップちゃん、大きな犬の紋次郎（でも小動物が大好き）、元猟犬の老らっしぃなどです。

布浦翼『ぴくぴく仙太郎』ウサギの仙太郎と猫のみやちゃんは、たちまち仲良しに。

作者の布浦翼さんは、多分実際にウサギと暮らしている方ではないのではないか？・・・と、これはあくまで私の私の想像ですが。
というのも、仙太郎のポーズや行動に、ウサギらしくないものが良くあるから。
たとえば仙太郎は、かかとを上げて四つ足を交互に、猫や犬のように動かして歩いたりしますけれど、ウサギは普通はウサギ跳びで移動。あんなふうに歩きません。
唯一、体をやっと押し込めるくらいに狭い場所の中で移動するときだけ、かかとを上げて後ろ足を交互に動かすことがありますが、普通は後ろ足は両足一緒に動かしています。
耳をまっすぐ立てて寝ることもないし。
それから、仙太郎が得意としている仙太郎キック、あれもウサギにはありませんよね。ウサギが片足で回し蹴りなんて。両足揃えての飛び上がり空中キックならやりますけれど（片足ダンッはやります。危険を感じたときなど）。
また、ウサギには食べさせてはいけないものを仙太郎が食べるシーンもあり、そういうのはドキッとしてしまいます。

でも、ウサギや猫の習性描写が若干不正確なんてことは、このマンガを見るときに、何の障害にもなりません。
そんなことはどうでも良くなっちゃうんですよね。
これだけかわいいと。

いつまでも小さくて、手のひらサイズで、いたずらばかりしている仙太郎とみやちゃんですが、本当に愛くるしい。

ぜひどうぞ。

（２００６．６．１５）

布浦翼『ぴくぴく仙太郎』

みやちゃん。いつまでもちっちゃくてかわいい猫ちゃん。