常木寝太郎『全部救ってやる』巻08

「誰かを傷つける行為は、やがて弱い存在へと流れていく」。
もし動物を愛する人が誰かをいじめたら、その先の被害者が声をあげられない動物かもしれない。(中略)「目には目を」だけでは世界は盲目になるのではないか。
常木寝太郎『全部救ってやる』巻08
ストーリー・あらすじ
AI(人工知能)が造った猫動画を見せられて驚く久我。最近のAIは本物と見分けが付かないような画像をつくってくる。そんな猫動画が大人気だ。
一方で、こんな投稿も相変わらず。

動物嫌いマン野良ネコがうちの庭にうんこしてくる ぶっ殺したいわ
そして、動画サイトに投稿される、猫虐待動画。これは本物?それともAIで作っただけのもの?

感想
この第08巻は全編が猫関連でした。
おきまりの、困った「餌やりさん」とご近所トラブル。そのトラブルが、餌やりさんの無知によるものなら、正しい知識を身につけてもらうことにより改善する可能性は大きいです。けれども、物忘れのひどくなった超高齢者の場合は?どうすればよいの?
そして、生成AIによる猫動画。今、ネット上には、AI動画があふれています。誰が見てもAIと分る内容ならよいのです。問題は、それが本物か作り物かわからないようなもの。そのような「わからない」動画の多くが、アクセス数を稼ぎやすい「お涙頂戴的な動物救出劇」ですが、中には動物嫌いによる虐待動画もあって・・・!
ホント心が病んでいると思います!あんなの流して喜ぶ奴等も、見て喜ぶ奴等も、私にはまったく理解できません。
この第8巻ではそんなどーしよーもない連中が描かれていますが、その一方で、思いがけない方面から様々な救いの手が差し伸べられる様子も描かれていて良かったです。廃業した獣医。本職の弁護士たちが動物達のために動いてくれたり。PCお宅が虐待犯人追及に協力してくれたり。ただの通りすがりの通行人が、猫が救出されたのを見て一緒に大喜びしてくれたり。

久我はどこの団体にも所属せず、単独で活動していますが、そんな久我の周りには美容師の星野をはじめ、協力者がつぎつぎと現れます。皆、純粋に、動物達と、動物達のために必死な久我を案じて、自分にできることだけでもと手助けしてくれる人たちです。
この地球はヒトだけのものではありません。そう勘違いしている人が多いですし、そう勘違いしていることに気づいてさえいない人も同じくらい多いですが、違います。あらゆる種類の多々雑多な生き物たちが複雑に共生し合って、絡み合って、もつれ合って、なんとかバランスをとりあって生きている、それが地球生命です。
弱い物虐めはしないでください。相手が人でも、動物でも、団体でも、小国でも。ライオンだって、空腹が満たされればすぐ横でガゼルが遊んでいても無視します。穏やかで平和な社会を望みます。



※著作権法に配慮し、本の中見の画像にあえてボカシをいれる場合があります。ご了承ください。

目次(抜粋)
- 第67話 あれは飼い主じゃない
- 第68話 人間が……?
- 第69話 まさか犯人ですか?
- 第70話 どういう感情なのかな
- 第71話 世の中の声の代弁者なんだ
- 第72話 1秒でも遅れたら
- 第73話 これは本物だ
- 第74話 連鎖の仕組み
- 第75話 久我のモーニングルーティン
『全部救ってやる』巻08
- 著:常木寝太郎(つねき ねたろう)
- 出版社:株式会社小学館 マンガワンコミックス
- 発行:2026年
- NDC:726(マンガ、絵本)漫画
- ISBN:9784098546916
- 189ページ
- カラー、モノクロ、口絵、挿絵、イラスト(カット)
- 初出:「マンガワン」2026年1月122日配信分~4月20日配信分
- 登場ニャン物:多数
- 登場動物:犬


