くまくら珠美『猫又指南』

その猫は、コレステロール値が高くて、耳の聞こえない、デブな白猫(10kg近い)だった・・・。
表紙の絵を見て、アレこの作風、妙になじみがあるけど、どこで見たマンガだったかなあ?としばし頭をひねり、・・・
昔なら思い出すまで意地でも頭をひねり続けたけれど、歳とともにそれだけの気力(あるいは記憶力に対する自信)を失って、すぐに本を手に取ってひっくり返し、奥付を見た。
たちまち判明した。なつかしの猫専門誌、『猫の手帖』に掲載を持っていた著者だ。道理で。
第1話をこそりと立ち読みして、これは買うしかないと思った。
ある日、ネットサーフィンしていた「ガハク(著者)」は、マイナスイメージばかりの里親募集をみつける。
『推定で8歳、オスの白猫、ブルーアイでコレステロール値が高く、太めで耳が聞こえません。』
こんなマイナスイメージばかりの宣伝で、里親希望者は現れるのか?
気になって仕方がない。
が、すでに2匹のママハハだし。
これ以上は・・・
これ以上は・・・
何かが頭から離れず。
・・・
決断。
かくて、3ニャンと暮らすことになったガハク。
耳が聞こえない事は「雪男の障害ではなく、個性のひとつです。」
耳が聞こえなくても、ちゃんとコミュニケーションが取れるし、
「こんな面白い猫をもらうことができたなんて、宝くじにあたった気分。」
実は、私も同じです。
私の場合は、里親に立候補したのではなく、拾って里親募集したけれど売れ残ってしまった寄り眼猫トロですが
「こんな面白い猫と暮らせるなんて、宝くじに当たったよりラッキーな気分。」
一緒に暮らしてくれてありがとうなのです。
シュールな絵の中に、淡々と、ギュウギュウと、猫の魅力が詰め込まれています。
男女を問わす楽しめる4コマ漫画です。
(2011.10.22.)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『猫又指南』
NEKO MOOK 1414
- 著:くまくら珠美(くまくら たまみ)
- 出版社:ネコ・パブリッシング
- 発行:2009年
- NDC:726(マンガ、絵本)
- ISBN:9784777009145
- 125ページ
- カラー
- 登場ニャン物:チビ、タロウ、雪男(ゆきお)
- 登場動物:-