ピトケアン『ネコの健康ガイド』
『ペットとホリスティックに暮らす』。
飼い猫が病気になるのは、化学汚染物質や環境汚染、人工的なペットフードなどのせい。そして、ある症状をしめした猫を西洋医学で治療しても、それは根本的な治療とはならない。
「西洋医学では、症状と障害を抑制して中和する作用を持ち、患者を強くするのではなく単に体の弱さを補うだけの薬物や方法を用います。迅速で簡単な解決を切望するあまり、根本の原因に取り組むのではなく症状を覆い隠すだけの薬物に飛びついてしまうわけです。」
「さらに厄介なのは西洋の科学を長い間支配してきた物資主義で、古代のほとんどすべての文化が認めていた心と頭と体を一体化する「生命力」というものの存在は、現在、西洋の科学者たちには認められていません。このため私達の大半は病気を肉体の面からのみ解明しようとし、精神や霊の諸相が考慮されることはほとんどありません。しかし実際は、健康上の問題がたった1つの要因で生じることは滅多にありません。軽度の疾患でも、普通、広範囲の肉体的および精神的な影響が原因で起こるのです。ですから、効果的に対応するには、これらの領域をすべて考慮に入れて病気の全体像を見、体の持つ自然治癒力と協力して働く療法を見つけなければなりません。」
そして、ホリスティック医療こそ、そのような精神も含めた全体的で根本的な治癒をめざしているのであるという。
まず食事内容の改善。
十分な日光と新鮮な空気と良い水。
幸せに暮らせる環境。
化学汚染物質等からできるだけ遠ざかること。
薬物を極力使わない自然療法で、猫を治療していく。
それから、「ホメオパシー医学」。
ティッシューソルトや薬草、バッチフラワーレメディー、断食療法についても書いてある。
完治できない難病でも、苦痛を軽減できれば、それだけ猫は安らかに暮らせる。
それが肉体だけでなく、精神面・心理面も重視するホメオパシー医療だという。
104ページ以降は、「よく起こるペットの病気と治療法」の題の通り、約40種の病気とその「予防と治療」「自然の治療薬」が書いてある。
自然の治癒薬とは、ホメオパシーやティッシュソルト、薬草などのことである。
巻末には、「緊急時の応急処置の仕方」。
応急処置の仕方、薬草治療のスケジュール、など。
この「ネコの健康ガイド」は「ペットのホリスティックに暮らす」シリーズの3冊目に当たる。
他の2冊 「ネコのライフスタイル」 と 「ネコの食事ガイド」 は、それぞれ単独で読んでも理解できると思うが、この3冊目「ネコの健康ガイド」だけは、是非、先の2冊とあわせて読んでほしいと思う。
少なくとも 「ネコの食事ガイド」 は必ず一緒に読んで欲しい。
あわせて読まないと本当の意味で理解・実践することはできないと思う。
(2006.9.28)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ネコの健康ガイド』
ペットとホリスティックに暮らす
- 著:リチャード・H・ピトケアン、スーザン・H・ピトケアン Richard H.Pitcairn and Susan H.Pitcairn
- 訳:青木多香子(あおき たかこ)
- 出版社:中央アート出版社
- 発行:2000年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
- ISBN:4886399142 9784886399144
- 264+21ページ
- モノクロ
- 原書:”Dr.Pitcairn’s Complete Guide To Natural Health For Dogs & Cats” c1995
- 登場ニャン物:-
- 登場動物:-
目次(抜粋)
1 からだにやさしいホリスティックな療法
(落とし穴がある西洋医学;ホリスティックな療法を実践しよう;自然療法―肉体の力を強めるアプローチ ほか)
2 病気の動物の世話の仕方
(家で看病するのがいいか、病院がいいか;断食を効果的に行なう;ネコが食べようとしない場合 ほか)
3 ネコのための病気別ガイド
(病気別ガイドの使い方;どこまで治るか、何を期待できるか;改善の兆候の見分け方 ほか)
巻末 緊急時の応急処置の仕方―緊急事態に備えて心得ておきたいこと
(生命徴候の正常値;ネコの身体部位;手元においておきたい応急処置の薬 ほか)