ピトケアン『ネコのライフスタイル』
『ペットとホリスティックに暮らす』。
1.正しい運動、休息、グルーミング
2.健康によい環境づくり
3.ネコの種類別健康チェック
4.病気を癒すこころのつながり
5.ネコのためのしつけと訓練
6.人にうつる病気の予防とペットの人口問題
7.旅行、引っ越し、迷子の対策
8.さよならを言うとき、死への対処
以上の8章からなる。
どの章でも共通しているのは、化学薬品の使用を避け、できるだけ自然素材を活用する、という姿勢。
たとえば、シャンプーする場合。
「化学薬品の入ったものは避けよう」とした上で「被毛から天然の脂をすべて取り除いてしまわないマイルドなシャンプーを必ずつかうこと。質のよいカスチール石鹸(訳注/オリーブが主原料の石鹸)か自然のシャンプーを選び、ヘアコンディショナーや、硫黄タールシャンプーや、ふけ抑制剤やその他の科学的な薬物の入ったシャンプーは使ってはいけません」とある。
ノミ対策としては、ノミをよせつけないハーブ入りシャンプーを勧めている。
「あるいは、ナチュラル・シャンプー1瓶かカスチール石鹸に、ペニーロイヤルかユーカリの製油(エッセンシャル・オイル)を2,3滴加えて虫よけシャンプーを自分でつくることもできます(刺激が強すぎるので、これらのオイルを皮膚に直接つけないこと)。」
章の最後には、「ノミ駆除用品の一般的な成分」一覧表や「殺虫剤の種類に強くなろう」などの表がある。
またたとえば、ふすま・オートミール・ひきわりとうもろこしなどを使った「ドライ・シャンプーの作り方」などの説明もある。
そして、しつこいくらいに、どの章でも、化学汚染物質や薬品や電磁波や人工素材等がどれほど悪影響をあたえるか、ネコをどうやってそれら人工的なものから守るべきかが、細かく書かれてあるのである。
また、無理な人工繁殖(ブリーディング)にともなう危険について。
先天的な障害がいかに多発しているか。
不健康な動物は繁殖させない、健康上の問題のある兄弟姉妹がいるネコを交配に選ばない、近い親戚は交配しない、近親交配で生まれた動物を選んだり交配させない、など。
これらはあまりに常識的で当然なことなのだが、洋の東西を問わず、こういう交配を平気でする自称ブリーダーや素人がよほど多いということなのだろう。
そして、さらに、ペットの人口過剰問題解決のためにも、去勢避妊手術を勧めている。
これほど「人工物」を嫌い「できるだけ自然の状態に」を提唱するピトケアン氏でさえ、不妊手術には賛成しているのである。
その理由も6ページを使って書いている。
世の中にはなんでもかんでも「人工的な手」を否定するあまり不妊手術も「不自然」と拒否する人がいるけれど、ピトケアン氏は、どうすれば一番猫たちにとって良い状態であるかを本気で考え、どうしても必要なら手術のようなきわめて人為的な操作もためらわない。
その上で「可能な限り人工物を排除し」「できる限り自然なものと接し」「ネコの自然な本能を理解してあげる」のが、猫たちの幸せのためには一番良いのだと言っているのである。
(2006.9.27)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ネコのライフスタイル』
ペットとホリスティックに暮らす
- 著:リチャード・H・ピトケアン、スーザン・H・ピトケアン Richard H.Pitcairn and Susan H.Pitcairn
- 訳:青木多香子(あおき たかこ)
- 出版社:中央アート出版社
- 発行:1999年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
- ISBN:4886399126 9784886399120
- 227ページ
- モノクロ
- 原書:”Natural Health For Dogs & Cats” c1995
- 登場ニャン物:-
- 登場動物:-