中村隆俊『ペットのサプリメント88』
最近はペットにもサプリを与えることがふつうになってきています。
内容は大きく2つに分けられる。
パート1は「ペットの健康に安心便利なサプリメント」。
内容は:
態度にあらわれる症状=ストレスや神経過敏にリラックス効果のあるサプリメント、など。
外見的にみえる症状=乾燥肌・皮膚のトラブルに効くサプリメント、など。
内面的なことから改善=便状態をよく観察して飲ませるサプリメント。
予防、ケア=高齢ペットの健康維持に良く効くサプリメント、など。
知って良かった=ペットの頭がよくなるサプリメント、など。
いずれも、見開き右ページに数行の説明と、効果があるとされているサプリメント名の羅列。
左ページはマンガ。
パート2は「サプリメントの効果」。
88のサプリメントの効果を、それぞれページ半分を使って、ごく簡単に書いてある。見開き4種類ずつである。
この本、表紙には「犬・猫・ウサギ・フェレット・ハ虫類」と書いてあるものの、はっきりいって、犬だけを対象とした本と考えるべき。
たとえば、マグネシウムの項は「健康維持に欠かせないミネラル」と副題され「効果→ストレス、健康な皮膚、心臓病予防」となっている。猫飼い主なら、マグネシウムの過剰摂取がリン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト)結晶に由来する尿結石症を引き起こしやすくなることは常識だろう。しかしそれに対する注意は一言もない。
またアロマオイル(精油)は、「マッサージから慣らすのがベスト」と書いてあり、精油を猫の肌に直接使うことの危険性についても何も書かれていない。
(精油の多くにテルペンという炭化水素が含まれる。ヒトを含む多くの哺乳類はテルペンを肝臓でろ過できるが、猫はそれに必要な酵素を持っていないため、精油の使用は注意が必要。死亡例あり。)
従って、猫の飼い主さんはこの本はあくまで参考本の1冊にとどめ、実際にサプリメントを使用するばあいは、他の文献やネットでよく調べてから使うようにしたい。
(2006.11.18)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ペットのサプリメント88』
犬・猫・うさぎ・フェレット・ハ虫類 予防と改善、健康維持など症状別に対応!
- 著:中村隆俊 (なかむら たかとし)
- 出版社:現代書林
- 発行:2004年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
- ISBN:4774506265 9784774506265
- ページ
- カラー、モノクロ、口絵、挿絵、イラスト(カット)
- 原書:
- 登場ニャン物:
- 登場動物: