ロダーリ『猫とともに去りぬ』

ロダーリ『猫とともに去りぬ』

 

イタリアを代表する児童文学作家による短編集。。

表題の「猫とともに去りぬ」は、15ページの短編。

「アントニオ氏は、昔でこそ駅長を務めたものの、いまでは退職、年金生活を送っている。」

ところが家族は誰もアントニオ氏に敬意を表さない。それぞれ勝手に何かに熱中していて、アントニオ氏の話し相手になってくれないのだ。

「どうやらこの家には四十年も国鉄を立派に勤め上げた、年金生活者の居どころはないようだ。」

そう悟ったアントニオ氏は、すてきな計画を実行にうつす。
その計画とは?
アントニオ氏が知った猫社会の実態とは?

残念ながら猫が活躍する話はこれだけだが、どの短編も面白く、ユーモアの中に痛烈なアイロニーが含まれていて、大人が読んでも飽きない。
ヴェネツィアが水没すると聞いて魚に変身する家族。
とんでもなく怪力な郵便配達人。
ピアノと旅するカウボーイ。
空き瓶に占領される街。
その他その他。

(2008.8.15)

ロダーリ『猫とともに去りぬ』

ロダーリ『猫とともに去りぬ』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『猫とともに去りぬ』

  • 著:ジャンニ・ロダーリ Gianni Rodari
  • 訳:関口英子(せきぐち えいこ)
  • 出版社:光文社古典新訳文庫
  • 発行:2006年
  • NDC:973(イタリア文学)小説
  • ISBN:9784334751074
  • 287ページ
  • 原書:”Novelle fatte a macchina” c1994
  • 登場ニャン物:
  • 登場動物:

 

目次(抜粋)

1 猫とともに去りぬ
2 社長と会計係 あるいは 自動車とバイオリンと路面電車
3 チヴィタヴェッキアの郵便配達人
4 ヴェネツィアを救え あるいは 魚になるのがいちばんだ
5 恋するハイカー
6 ピアノ・ビルと消えたかかし
7 ガリバルディ橋の釣り人
8 箱入りの世界
9 ヴィーナスグリーンの瞳のミス・スペースユニバース
10 お喋り人形
11 ヴェネツィアの謎 あるいは ハトがオレンジジュースを嫌いなわけ
12 マンブレッティ社長ご自慢の庭
13 カルちゃん、カルロ、カルちゃん あるいは 赤ん坊の悪い癖を矯正するには・・・
14 ピサの斜塔をめぐるおかしな出来事
15 ベファーナ論
16 三人の女神が紡ぐのは、誰の糸?
解説
ジャンニ・ロダーリのおもな邦訳作品
ジャンニ・ロダーリ年譜
訳者あとがき

著者について

ジャンニ・ロダーリ Gianni Rodari

1920-1980。イタリアを代表する児童文学作家・詩人・ジャーナリスト・教育者。「ファンタジーは人間の精神・人格を形成する大切なもの」と考え、画期的論考『ファンタジーの文法』や童話『チポリーノの冒険』などを著した。教訓におちいることなく、人類愛、反差別、自由の概念を、上質な笑いとともに表現。1970年“児童文学のノーベル賞”『国際アンデルセン賞作家賞』を受賞した。

関口英子(せきぐち えいこ)

埼玉県生まれ。大阪外国語大学イタリア語学科卒業。翻訳家。児童書から映画字幕までイタリア語の翻訳を幅広く手掛ける。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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ロダーリ『猫とともに去りぬ』

4.7

猫度

2.0/10

面白さ

8.0/10

猫好きさんへお勧め度

4.0/10

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