バンサン『アンジュール ある犬の物語』
走り去る車の窓から投げ捨てられた犬は・・・。
写真集や絵画集、絵本などは、極力買わない主義の私ですが、この本は見た次の瞬間には何の迷いもなく買っていました。
ウルウルの目をごまかすために目をバチバチしばたきながら。
鉛筆一本で書かれた絵。
ほとんど乱暴なくらいに荒いデザインですが、とんでもない存在感があって、とてつもないストーリー性で見る者を圧倒します。
発行当時はあちこちの書評でも取り上げられ好評だったようですが、そんな評判は知らずに買いました。
その後この本の人気を知り、当然だろうと思いました。
タイトルを「アンジュール」と訳したセンスも大成功だったと思います。
原題 ”un jour, un chien” を直訳すると、「ある日、一匹の犬」。
それを「アンジュール」とカタカナでそのまま書いたセンスは見事としかいいようがありません。
とにかく、 すばらしい本です。
犬と暮らしている方はもちろん、猫やウサギやハムスターや、その他どんな子と一緒に暮らしている方も、あるいは、暮らしていない方でも、
すべての人類に、この本を見て欲しいくらいです。
すべての人類に、この本をお勧めします。
(2004.06.21)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『アンジュール』
ある犬の物語
- 著:ガブリエル・バンサン Gabrielle Vincent
- 出版社:ブックローン出版
- 発行:1986年
- NDC:953(仏文学)絵本 ベルギー
- ISBN:4892389579 9784892389573
- 57ページ
- モノクロ
- 原書:”Un jour, un chien” c1982
- 登場ニャン物:-
- 登場動物:無名の犬