秋月こお『王様な猫と調教師』

めくるめく禁断の愛に、ますます飲み込まれて行く光魚・・・
〔注〕BL(ボーイズラブ)の徳間書店キャラ文庫で出ている本につき、18歳以上向け。
『王様な猫』シリーズ、第4弾。中編2編です。
星川光魚は、庶民的な家庭に育った平凡な男子大学生。
春休みのアルバイト先に、住み込みペットシッターを選んだのがウンの尽き。
そこにいたのは、ヒョウサイズの巨大な黒猫3頭。
しかも、中の1頭、シータ(雄!!)が光魚に恋をしてしまい、・・・
そしてこの巨猫たちは、人型に変身できる人猫でもあった!
王様な猫と調教師
光魚は、シータ(人型のときは四郎)の”正妻”になるべく、巨大白猫シグマ(司堂)の家に泊まり込んで”教育”を受けることになった。
内心ではまだ完全に納得できていないけど!
巨猫の妻になるなんて~~
いくらその巨猫が、超絶美青年に変身する能力があるといっても、・・・中身はやっぱり猫だよ?それも雄だよ?
そう、そんな関係は、シータだけで十分なんだ!十分なはずだったんだ!
だけど、あろうことか光魚自身が、シグマの目の前で媚薬のビンを割っちゃって、
いつもは冷静で知的なシグマが、光魚に欲情しちゃって・・・
シータ、助けてくれぇ!!!
この話は雑誌掲載のための外伝として書かれたものだそうです。
そのせいか、描写がいつもより露骨でございまして・・・
そりゃ男性の方々が読まれるそういう本ほどではないのでしょうけれど
女性用としてはまあそれなりの・・・(汗)
王様な猫と黄金の魚
珍しく、四郎の視点から書かれた作品。
四郎(シータ)は悩んでいる。光魚がシグマに恋をしているから。四郎の事も好きだけど、でも、四郎が絶対的な一番ではないから。
そこで、アルファとゼータに相談しに行く。
アルファからは実務的なアドバイスをもらう。中でも、経済力をつけることは大事だし、これなら簡単で、すぐにできることだ。
ゼータからはもっと懇切丁寧に?実践的なテクニックを教わる。
少し自信を付けた四郎、さっそく光魚と仲良くやろうとする。
経済力のほうは、すぐに解決した。
なのに、肝心の仲の方が、まだなんかうまくいかない・・・
そんなとき、一族の会合が開催される。
世界中の人猫族が集まるという大掛かりなものだ。
四郎はイヤな予感がしたが、顔を出さないのは失礼だと光魚に強要されて、ふたりで出席。
そこで大変な事件が!

シータ(四郎)と光魚は、二人の将来のために、命を懸けて戦う
まあ、これほど誰かを好きになれたら、それはそれですっごく幸せだろうなあとは思います。
猫と人だからこそ、これほど愛せるのかもしれませんね。
人間同士では、少なくともこの現代日本社会においては、なかなかこれほどには(汗)
(2002.6.8)
『王様な猫の戴冠』に続きます。

秋山こお『王様な猫と調教師』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『王様な猫と蝶講師』
『王様な猫』シリーズ、第4弾。
- 著:秋月こお(あきづき こお)
- イラスト:かすみ涼和
- 出版社:徳間書店 キャラ文庫
- 発行:2001年
- NDC:913.6(日本文学)小説
- ISBN:4199001859 9784199001857
- 237ページ
- モノクロ挿絵
- 登場ニャン物:アルファ、ゼータ、シータ、シグマ、ベルシーダ、他
- 登場動物:ダイスケ(犬)
目次(抜粋)
- 王様な猫と調教師
- 王様な猫と黄金の魚
- あとがき