クリスティー『予告殺人』
アガサ・クリスティーの名作に、ちらりと猫が。
猫が出てくるのは、ほんの数行。
第一章No.5に2行ほどと、第18章No.3に半ページほど。
それしか登場しない猫が、随分ご大層な名前を持っているので、番外編に収録。
その名前とは、ティグラト・ピレセル。
古代アッシリア王の名前である。
ちなみに・・・
ティグラト・ピレセル1世(1132~1115B.C.)
ティグラト・ピレセル2世(966~935B.C.)
ティグラト・ピレセル3世(744~727B.C.)。
で、ストーリーとしては。面白かったです。
でも最後のどんでん返しというか種明かしがかなり苦しいような気もしました。
後から考えれば、なるほどストーリーの随所にヒントは隠されていましたけれど、あれだけのヒントであの結末は思いつくかなあ。
私にはかなり最後の方まで全然わかりませんでした。
重大なヒントとなる文章も、日本語と英語のイントネーションはちょっと違うから、日本人が日本語で読んでいる限りまったく気が付かないかも。
もちろん、英国人が英語で読んだって、文章にイントネーション記号はついていないから、わからないことは分からないでしょうけれど。
↑読んでいない人には、なんのことかさっぱりわかりませんね(大汗)。
でも、推理小説のレビューで犯人のヒントを出すなんてできませんから。
ご自分で読んでみてください。面白いです。
(2003.11.24)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『予告殺人』
- 著:アガサ・クリスティー Agatha Christie
- 訳:田村隆一
- 出版社:ハヤカワ文庫
- 発行:1976年
- NDC:933(英文学)長編推理小説
- ISBN:4151300384 9784150700072
- 417ページ
- 原書:”A Murder is Announced”c1950
- 登場ニャン物:ティグラト・ピレセル
- 登場動物:-