出久根達郎『猫にマタタビの旅』
『猫の似づら絵師』の続編。
時は文政元年。
主な登場人物は3人。
猫の似顔絵を描いてなりわいとする銀太郎、26歳。
同い年で貧乏神売りの丹三郎。
風呂嫌いで物知りで、年中うどんをこねている謎の絵師、垢餓鬼源蔵。
あるときは、銀太郎、ある女将に頼まれた。
泊まりがかりの地に遠出して、金目銀目の猫(今でいえばオッドアイね)を連れ帰ってほしいという。
さっそく出かけた銀太郎、しかしもちろん、そう簡単に言って帰って無事終了、なんてことにはならぬ。
またあるときは、年老いた猫を捨ててきてほしいと頼まれた。
銀太郎は、猫の似顔絵を描くのが商売であって、猫捨て屋ではない。
が、事情を聞けば(そしてお駄賃ももらえば)、むこうにはむこうの言い分があり、内心納得はできないものの、無下にも出来ず。
またあるときは、美味しいうどんを喰おうと、3人連れだってはるばる上州まで出かけたが、その地には猫絵で知られる殿様がいた。
その後、子(鼠)の神社に捕らわれて、大ピンチに陥ったり、怪しげなうどん屋から女性を救い出したり、貸本ですったもんだがあったり、なんだかんだと騒ぎが続く。
そして、謎の絵師、源蔵の正体とは?
生きた猫はあまり出てこないけれど、どこへ行っても、猫、猫、猫。
猫の絵、猫の自慢、猫を捜す、猫が逃げた、云々と、猫まみれ。
猫好きさんなら、きっと楽しいですよん。
なお、このシリーズは『猫も杓子も猫かぶり』に続きます。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『猫にマタタビの旅』
- 著:出久根達郎(でくね たつろう)
- 出版社:文藝春秋
- 発行:2001年
- NDC:913.6(日本文学)小説
- ISBN:4163200800 9784163200804
- 253ページ
- 登場ニャン物:長兵衛、好太郎、剣菱丸、白
- 登場動物:-
目次(抜粋)
- ねこにマタタビの旅
- 禍福は猫の目
- ぐるっと回って猫屋敷
- 鼠の猫じゃらし
- 猫なで声うどん
- 猫のひたいで盆踊り
- 人も猫も猫かぶり