デサール+リンドレー『恐竜の再生法教えます』
副題:『ジェラシック・パークを化学する』。
もしあなたが
(1)恐竜が大好きで、もちろん「ジェラシック・パーク」も「ロスト・ワールド」も見た。
(2)遺伝のしくみに興味がある。
のどちらかなら、きっと楽しめるだろう。
両方に興味があるから、すごく面白いに違いない。
私は両方に興味があるので、ものすごく面白かった!
この本は、「ジェラシック・パーク」のように、恐竜を再生することが本当に可能かどうかを科学的に解説した本である。
本の内容はすべて、「ジェラシック・パーク」のストーリーにぴったり寄り添うようにして話が進められる。
その際、当然だが、DNAやゲノムなどの遺伝学用語、および、マイアサウラやハドロサウルスなどの生物名が数多く出てくる。
映画やこれらの名前になじみがない人には、理解するのはちょっと難しいかもしれない。
ま、恐竜ファンで「ジェラシック・パーク」を見ていない人なんていないだろうが。
さて、で、まずは、琥珀を掘り出すシーンの間違い探し。
それから次々に、映画の中の小さな間違いや難点、勘違いの指摘や補足や科学的な説明が続く。
まだ未消化の血液を胃に蓄えた蚊が閉じこめられた琥珀を見つける難しさ。
もし見つかったとして、恐竜の血液を取り出すことの難しさ。
もし取り出せたとして、DNAを復元することが如何に困難か。
もし復元できたとして、しかしそれだけで恐竜は甦らない。
DNAを育てる卵がない。
孵化した幼恐竜の消化を助ける微生物類がいない。
育ち始めた幼恐竜を守る免疫系がない。
動き始めた幼恐竜を導く親も教師もいない。
大きく育った恐竜を住まわせるに適した環境も土地もない。
エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ・・・
やはり、恐竜たちをあのように甦らせるというのは映画の中だけの話、夢の又夢のようだ。
それでも。
完全否定ではない!! ←そうなのか?(^_^;)
恐竜を甦らせることはできるのか?
するべきなのか?
さて、あなたはどう思いますか?
(2006.11.18.)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『恐竜の再生法教えます』
ジェラシック・パークを化学する
- 著:ロブ・デサール+デヴィッド・リンドレー Rob DeSalle + David Lindley
- 訳:加藤珪+鴨志田智枝子 共訳(かとう けい + かもしだ ちえこ)
- 監修:伊東恵夫(いとう よしお)
- 出版社:同朋舎
- 発行:1997年
- NDC:457.87(古生物学、化石)
- ISBN:4810424405 9784810424409
- 255ページ
- カラー、モノクロ、口絵、挿絵、イラスト(カット)
- 原書:” The Science of Jurassic Park and The Lost World, or, How to Build a Dinosaur ” c1997
- 登場ニャン物:-
- 登場動物:恐竜たち