はるき悦巳『じゃりン子チエ』

はるき悦巳『じゃりン子チエ』

 

ご存じ、浪花の人情コメディ。

単行本の発行部数は3000万部。テレビアニメ、映画、舞台、さらにゲームにもなって、知らぬ人はいない(?)というくらいの大人気コミック。作品の内容やあらすじなどは、今さら私がどうこう書くまでもないでしょう。皆さんご存知でしょうから。

私も最初はテレビアニメで知りました。その後、マンガは喫茶店などでの立ち読み(座り読み?昔は「漫画喫茶」と呼ぶほどではないがマンガを置いてある喫茶店って多かった)、あまりに知られた作品なのでかえって手元に本を持たず(サザエさんとかも持っていません。笑)

それが、この間書店のマンガ本コーナーに『じゃりン子チエ ややこしいテツ編』というムック本が本体465円+税で置いてあるのを見て、買っちゃいました。今頃?今更?にゃははは。

はるき悦巳『じゃりン子チエ』

はるき悦巳『じゃりン子チエ』

で、読んでみたのですけれど。

最初に知ったのがテレビアニメだったためか、アニメの方が私にはなじみやすい?というか、令和の今、マンガで読んでみたら、どうも・・・、チエちゃんのおかれている状況があまりに悲惨で気の毒すぎ(チエちゃん自身、自分のことをしばしば「不幸な少女」等と表現していますけれど)。このマンガを「牧歌的」なんて評している人もいますが、これのどこがって感じ?同級生マサルは憎たらしいだけのいじめっ子だし、テツは救いがたいドアホで見るのも嫌になってくるし(アニメでは笑うだけで済んだのに)、良い人だと思っていた母ヨシ江さえ「我が子を本気で救おうともしないダメ母」に見えてしまい(大汗)。

あと、これは私の個人的な都合ですが、この文字数で全文関西弁というのも、実は読みにくい(汗)。私自身関西に住んですでに長く、耳で聞く分には関西弁も標準語も変わりなく聞けるのですが、文字で読むとなるといまだに関西弁はちょいちょいひっかかっちゃうんですよね。なんというか、たとえて言えば、そう・・・標準語の文章なら製氷車が回った直後のアイスリンク、関西弁の文章は一般客が1時間滑ったあとのアイスリンク、みたいな。その程度の差ですが、とはいえまったく同じとはいかなくて。すみません。

この作品が1970年代後半に描かれたというのも意外でした。私のイメージではもっと古く、1950年ころかと思い込んでいたものですから。

だってチエちゃん、小学校に下駄で通っているんですよ?しかも帰宅後、小五の幼さでホルモン焼き屋で堂々と働いている(というか主人として仕切っている)。そんな状況って、とうぜん、私の生まれる前でしょって思っていたものですから。1970年代後半なら私もとうに生まれていますが、思い出す限り下駄ばきの小学生なんて見た記憶がない・・・公園で遊ぶ時だってゴム草履、下駄はお祭りなどのイベント時だけだったような?

あるいは東京と大阪の違いでしょうか。大阪の夏は東京の夏より暑いですから、涼しい下駄が重宝され続けたのかなあ、なんて思ったり。

と、チエちゃんのことはここまでにして。以降は猫サイトらしく、猫のことに集中します。

『じゃりン子チエ』に登場する猫たちは、人間のように二本足で立って歩き、手を使い、ふつうに会話します。猫というより猫型の小型人間みたいです。しかも猫達の多くが人間よりも上等!ま、比べる相手がテツのようなクズ鉄では、猫も犬も「ヒトよりはマシ」ってなっちゃうでしょうけどネ。

小鉄は、チエちゃんの飼い猫です。額の三日月模様(傷跡)が特徴。かつては「月の輪の雷蔵」の異名で鳴らす最強の野良猫でした。飼い猫となった今もケンカの強さは半端ではなく、さらに、スポーツ万能でもあります。マンガでは甲子園準決勝まで行ったピッチャーの球を軽々と打ち返したりしています。パチンコもプロ並み、チューリップが壊れるほど玉を出して大袋4個分もの缶詰をせしめたり。チエちゃんの最高のパートナーです。年齢もチエちゃんと同じくらいらしいです(つまり10歳くらい?)。私にいわせれば『じゃりン子チエ』に登場するすべての人間・猫たちの中でも一番の人格者(猫格者)であり、なんともカッコイイ猫にゃのです!

アントニオは、百合根光三の愛猫だった雄。今でも剥製が飾られ月命日の14日には線香をあげられるほど大事にされていました。滅法強い猫でしたが、小鉄の「必殺タマつぶし」で玉をひとつとられて以来バランスが悪くなり、犬にかみ殺されてしまいました。

はるき悦巳『じゃりン子チエ』

はるき悦巳『じゃりン子チエ』

アントニオジュニアは、アントニオの息子。百合根光三は、亡きアントニオに瓜二つなジュニアの出現に驚き喜びます。ジュニアは父の敵をとろうと小鉄に挑みますが、小鉄に軽くいなされてしまいます。以後二人、いえ、二匹は親友となります。

私が買った「じゃりン子チエ ややこしいテツ編」に出てくる猫は上記3ニャンだけですけれど、『じゃりン子チエ』という作品には多くの猫達が出てきます。どの子も個性的で魅力的。猫好きとしてはチエちゃんより猫目当てで見てしまうアニメでした。

はるき悦巳『じゃりン子チエ』

その後、ふたりは仲良しに。

※小鉄のスピンオフ漫画『どらン猫小鉄』シリーズというのもあります。

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『じゃりン子チエ』

  • 著:はるき悦巳(はるき えつみ)
  • 出版社:株式会社双葉社
  • 初出:『漫画アクション』1978年10月12日号~1997年8月19日号
  • NDC:726(マンガ、絵本)
  • 登場ニャン物:小鉄、アントニオ、アントニオJr.(ジュニア)、ほか
  • 登場動物:-

 


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はるき悦巳『じゃりン子チエ』

5.5

猫度

5.5/10

おもしろさ

5.5/10

猫好きさんへお勧め度

5.5/10

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