井上ひさし『百年戦争』(上・下)

井上ひさし『百年戦争』

 

銀座が、それどろか世界中が、小学生を送り込んでの動物戦争!?

井上ひさし氏の作品は好きで結構読んでいる。大好きな作家の一人だ。

「百年戦争」は井上氏の新聞小説である。
1977~8年に毎日新聞の夕刊に掲載された後、作者により加筆訂正され1994年文庫本で出版された。

とにかく面白い。
駄洒落とユーモアと風刺にあふれた、滑稽で荒唐無稽な本。

しかしよく読めば非常に真剣な話題を取り上げている。
内容的には深刻な宗教論争と言っても過言ではないくらいの重いテーマだ。

小学生の清君は、ある日、お腹一杯食べた後にごろりと横になったら、お母さんに

「ごはんをたべてすぐ横になると猫になっちゃいますよ」
page 14

と怒られた。
これはお母さんが
「牛になりますよ」
というつもりを、つい言い間違えたのである。

清君は

(・・・猫か。べつにいいや、猫になっても)
page 14

とふてくされる。

すると、驚いたことに本当に猫になってしまう。

ちょうどそのころ、銀座ネコ達と築地ネズミ達との間には戦争が勃発していた。
清君は、銀座猫の若様となったり、人間に戻って親に怒られたりしているうちに、この戦争が単なるネコとネズミの小競り合いではないことに気が付く。

実はトンデモナイ大計画の一部だったのだ。

すわ、人類滅亡の危機?
小学生の清君に人類を救えるのか?

清君は、親友の同級生と、人類を救うべく神様に立ち向かっていく。

調べ物が得意な井上氏の小説らしく、色々な事が実に詳しく調べてあって面白い。
特に銀座史が圧巻だ。
小説としては度が過ぎるほどの詳細さで銀座の町が再現してあったりする。
また猫についてもかなり調べられたらしい。

井上氏には他にも動物を扱った作品は多いが、この「百年戦争」は、長さといい、テーマといい、一番なのではないだろうか。

(2003.12.21)

井上ひさし『百年戦争』

井上ひさし『百年戦争』

井上ひさし『百年戦争』

井上ひさし『百年戦争』

井上ひさし『百年戦争』

ここの部分は小説というより歴史的データ

↑ ↑ ↑ ↑ ↑

と、2003年12月21日にはじめてこのレビューをあげたときに書いたのですが・・・

2020年1月16日、ある方からご指摘をいただき、・・・

初めて知りました。井上ひさし氏が、私が好んで読んでいた作家が、あの子供向け「ひょっこりひょうたん島」のイメージの強い人が、

奥様をDVし、さらに、動物を虐待していただなんて!

動物をいじめたというのが幼少のときならわかります。幼児とは残酷な生き物ですから、おそらく一人の例外もなく。

でも、高校生にもなりながら、猫に火を点けたりしてただなんて!!!

ショックです。

大、大、大ショックです。

・・・・・・・(大泣き)

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『百年戦争』(上・下)

  • 著:井上ひさし (いのうえ ひさし)
  • 出版社:講談社文庫
  • 発行:1994年、1994年
  • NDC:913.6(日本文学)小説
  • ISBN:(上巻)4061856626:9784061856622 (下巻)4061856634:9784061856639
  • (上巻)456ページ、(下巻)425ページ
  • 登場ニャン物:ミケランジェロ、タビスケ、長靴先生、猫八、トラネコ大将、猫背部長、電気猫、猫目姫、その他大勢
  • 登場動物:ネズミ、他/li>

 

 


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