辻真先『迷犬ルパンと三毛猫ホームズ』

辻真先『迷犬ルパンと三毛猫ホームズ』

 

あの三毛猫ホームズと迷犬ルパンが、合同調査を!?

オペラの観客の目の前で、世紀の歌姫が殺された!

そこに偶然居合わせたのは、ご存じ片山義太郎刑事。
名探偵・三毛猫ホームズの下僕、いや下働き、いや使い走り、いや、飼い主である晴美の兄である。
その時、片山は非番、例によって「お見合い中」だった・・。

一方、こちらも休暇中の朝日正義刑事。
浮世離れした軽井沢で写経に余念がない、はずだったけど、偶然か必然か、女子中学生失踪事件に巻き込まれて・・・。

と、いうわけで。
夢の共演が実現!

かたや、イギリスが誇る名探偵、シャーロック・ホームズをもしのぐ名探偵猫、三毛猫ホームズ。
かたや、フランスが誇る大怪盗、アルセーヌ・ルパンをもしのぐ迷犬、ルパン。

名探偵猫と迷犬が協力したのだから、人間の犯人なんて、逃げられるわけがない。

辻真先氏の文章は実によく赤川次郎氏を真似ていると思う。
片山刑事は、いつもよりほんの少しだけ決断力があり、三毛猫ホームズはいつもよりほんの少しだけ協力的なような気もするけれど、もし著者名を隠されて読まされたなら、ホームズの登場する部分は赤川氏の著作と素直に信じてしまうだろう。
そのくらい、うまく真似ていると思う。
赤川氏の文体ってかなり真似しにくいと思うのだが。

辻氏のファンの方、赤川氏のファンの方、推理小説ファンの方、単に犬猫が好きな方、誰でも楽しめる本だ。

(2008.9.23.)

赤川次郎『三毛猫ホームズシリーズ』はこちら

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『迷犬ルパンと三毛猫ホームズ』

  • 著:辻真先(つじ まさき)
  • 出版社:光文社 光文社文庫
  • 発行:1991年
  • NDC:913.6(日本文学)長篇推理小説
  • ISBN:4334713971 9784334713973
  • 265ページ
  • 登場ニャン物:ホームズ、ポー
  • 登場動物:ルパン、サファイア(犬)

 


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辻真先『迷犬ルパンと三毛猫ホームズ』

7.8

猫度

7.5/10

面白さ

8.0/10

猫好きさんへお勧め度

8.0/10

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