猫と本屋は似合う

本棚の前に猫

「シュールレアリスム」という言葉を作った世界的な詩人ギヨーム・アポリネールの『動物詩集』にこんな詩があります。

 猫

私が我が家に望むもの
分別のあるひとりの妻と
本の間を歩きまわる一匹の猫と
彼ら無しではどんな季節も
過ごせない友人たちと。

 Le chat
Je souhaite dans ma maison:
Une femme ayant sa raison,
Un chat passant parmi les livres,
Des amis en toute saison
Sans lesquels je ne peux pas vivre.

本の間を歩き回る猫。こんなに絵になる動物は他にいません!?

と、いうわけで、私が読んだ「猫+本屋」な小説・エッセイ等のご紹介です。

ブランドン『書店猫ハムレット』シリーズ

猫が探偵をする小説は少なくありません。真っ先に思い出すのは、赤川次郎『三毛猫ホームズ』シリーズでしょう。その他、柴田よしき『猫の正太郎』シリーズリリアン・J・ブラウン『シャム猫ココ』シリーズリタ・メイ・ブラウン『トラ猫ミセス・マーフィー』シリーズ等、枚挙にいとまありません。

つまり、そのくらい、猫+探偵は似合うんです。

その似合う組み合わせに、「本屋」まで加わった最強シリーズが「書店猫ハムレット」です。

ハムレットは大きなアメリカンショートヘア。ダーラが相続した個人書店のマスコット猫(?)で、その性格は「ツンデレ」ならぬ「ツンツン」猫。気難しく、気まぐれで、不愛想。

しかし彼には特殊な能力があり、近所で殺人事件が発生すると、誰よりも早く犯人を特定してしまいます。そして「本落とし」の術で人間にも教えてくれるのですが、なんせ人間って鈍すぎて、なかなか彼のヒントを解読できにゃい・・・

夏川草介『本を守ろうとする猫の話』

古くは南宋時代の詩人・陸游 (りくゆう)が、自分の猫について、こう詠んでいます。

尽護山房万巻書

〔書き下し〕尽く山房の万巻の書を護る

〔口語訳〕我が山房の万巻の書物を(ネズミから)よく護ってくれた。

「剣南詩稿」巻15「陸游集」第一冊『贈猫』より

そう、古くから、本を守る動物といえば「猫」。

というわけで、すてきな一冊をどうぞ。一匹の猫が、本好きの高校生とともに、本を守る冒険に出るファンタジー小説です。

ひずき優『書店男子と猫店主』シリーズ

その名もずばり「書店男子と猫店主」な組み合わせの作品です。

が、この猫店主ミカン、外見はどうみても猫だけど、中身は・・・獏(ばく)?あの「夢を食べる」という架空の動物?

スズシロ『ほんとねこ』

マンガです。

猫を飼っている書店員さんのブログが書籍化しました。内容的には、著者でさえ『ほんとねこ』というより『ほぼねこ』と書いていらっしゃる通り、本より猫の話題が中心となっていますが、もちろん本の話も多く出てきます。

ゆるい4~8コマ構成で、ほんわりしたい人におすすめです。

若竹七海『古書店アゼリアの死体』

心地よいテンポのコージーミステリーです。

この作品に出てくる猫は、探偵ごっこはしません。ただそこにいるだけの、ふつうの猫です。猫としてはその方が当たり前なんですけれどね。でもさすが動物好きな作家さん、猫好きな人をくすぐるポイントがあちこちにちりばめられた作品となっています。

出久根達郎『本があって猫がいる』

出久根達郎氏は、古書店主で、作家で、月刊『ねこ新聞』に執筆するほどの猫好き。『本があって猫がいる』はそんな氏のエッセイ集ですが、本と猫の他、犬も出てきます。猫も犬も本も好きな人なら、必ず氏のファンにならずにはいられないような一冊です。

なお、私が読んだ出久根達郎氏のこれら↓の作品のすべてに、どこかに猫が登場しました。どうぞあわせてお読みくださいね。

『漱石先生の手紙』 『猫阿弥陀』 『猫にマタタビの旅』 『猫の縁談』 『猫の似づら絵師』 『猫も杓子も猫かぶり』『まかふしぎ・猫の犬』

マイロン『図書館ねこデューイ』

アメリカの小さな町の小さな図書館での話。本の返却ボックスの中から発見された子猫は、そのまま、図書館勤務となりました。名前はデューイ・リードモア・ブックス。その一匹の猫が奇跡をおこし、その小さな図書館は全米中に知られる存在となります。実話。

リン・トラス『図書館司書と不死の猫』

元図書館司書の男と、謎の元図書館利用者と、不気味な猫達が登場する、ホラーミステリー。

大久保京『猫本屋はじめました』

日本初の猫本専門書店を、女手一つで開店させた大久保さんの、ドタバタ奮闘記や猫本の紹介等です。

猫本専門神保町にゃんこ堂の『ニャンダフルな猫の本100選』

常時600種類/2000冊以上の猫本たち全て立ち読み可能だという、夢のような猫本専門店。その猫店長リクオが選んだ「猫好きによる、猫好きのための本 100冊」が載っている猫本です。

※参考ページ

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