日本自然保護協会『野外における危険な生物』
副題:『フィールドガイドシリーズ2』。
1990年代、バブル経済が崩壊すると、それにとってかわるようにアウトドアブームがはじまった。
男も女も4輪駆動車に乗って山や海に続々とくりだした。
ところがほとんどの人が、流行(ファッション)でアウトドアをやっているだけだった。
持っている道具はプロ級の高級品でも、野外生活に関する知識は限りなくゼロに近い。
そんな中、1994年にこの本が発行された。
他に類似の本が無かったこともあり、知る人ぞ知る「野外生活のバイブル」となったのである。
【目次】(抜粋)
総論 野外における危険な生物
1.危険な哺乳類について
2.危険な爬虫類・両生類について
3.危険な海産動物について
4.危険な節足動物及び環形動物について
5.有毒植物について
6.毒キノコについて
分布地図
写真
資料編
1~6の、哺乳類について等々は、それぞれの種の説明が1ページに渡って説明されている。
たとえば「ニホンマムシ」のページ。
ニホンマムシの全体像や頭部の拡大図(いずれも白黒の図)がまずあり、それから「みわけ方」「すんでいる場所」「予防」「症状」「応急手当」についてそれぞれ書いてある。
さらに「事故の起こりやすい季節」と「事故の起こりやすい時間」の円グラフがある。
大きくもない本の1ページ分だけだから、ヘビ専門書ほど詳しくないかもしれないが、フィールドに携帯するマニュアル本としては必要な知識は網羅してあると言って良いのではないだろうか。
写真は、当該生物の写真の他、噛まれたり刺されたりした患部の写真(人間の)もあるのだが、これをみるとやはりハブの咬傷跡がすさまじい。
人間の腕にみえないくらいに変色し腫れ上がり、一部は壊死しているのだろうか、とにかく、恐ろしい写真である。
この本を見て、日本にはこんなに危険な生物が多数生息していたのかと驚く人もいるかもしれない。
しかし、カやブユのように積極的に襲って(?)くる生物はごくわずかで、ふつうは人間が彼らを脅かしたり食べたりしない限り、めったやたらに攻撃はしてこないものだ。
日本で野生動物による死者が一番多いのはスズメバチだろうが、そのスズメバチだって巣に近寄らなければまず襲わない。
野生の中で身を守る一番の方法は、正しい知識と理解である。
知れば知るほどかえって安全になるのだから、怖がらずにしっかり知識を吸収して下さい。
(2007.7.7.)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『野外における危険な生物』
フィールドガイドシリーズ2
- 編集・監修:(財)日本自然保護協会
- 出版社:平凡社
- 発行:1994年
- NDC:460(生物化学、一般生物学)
- ISBN:4582540120 9784582540123
- 304ページ
- カラー(口絵)、モノクロ(挿絵)
- 登場ニャン物:-
- 登場動物:各種
目次(抜粋)
【目次】(抜粋)
総論 野外における危険な生物
1.危険な哺乳類について
2.危険な爬虫類・両生類について
3.危険な海産動物について
4.危険な節足動物及び環形動物について
5.有毒植物について
6.毒キノコについて
分布地図
写真
資料編