映画『Clarence the Cross-Eyed Lion』、米TVドラマ『Daktari(ダクタリ)』

Clarence, Daktari

映画『Clarence the Cross-Eyed Lion』

“He’s the King of Beasts …who just couldn’t quite be Beastly!” (彼は百獣の王・・・ただ、どうもちょっと、猛獣っぽくなれないんだ)

「Cross-eyed」とは「斜視」という意味。国立国会図書館サイトでは「やぶにらみのライオン」と訳されていました。

そうなんです、クラレンスは内斜視のライオン。シャム系の猫にもよく見られますね。

クラレンスの目は、少々寄っている、なんて程度ではありません。ギュッと内側に寄って、それは強度な内斜視なんです。だから物もすべて二重に見えてしまいます。

これでは狩りもうまくいきません。しかも性格はおっとりのんびり、人懐こくて、穏やかで。こんな雄ライオン、とても野生では生きていけない!

というわけで、動物研究センターに保護されるや、たちまち馴染んでしまって、もう完全にペット化。チンパンジーのジュディとふざけながら、毎日ノンキに暮らしています。

その動物研究センターに勤務しているのは、獣医師のマーシュと娘のポーラ。東アフリカの野生動物達の観察+保護+治療、ときには密猟者取り締まりと、忙しい毎日です。

研究所にはジュリーもよく来ます。彼女は類人猿の研究者。細身の上品な女性ですが、たった一人でジャングルに分け入り、ゴリラの群れを観察するような、勇敢な面もあります。彼女が何より憎んでいるのは密猟者。そして、なんとなく、マーシュと良い雰囲気?

一方、娘のポーラは、若さが爆発しているような活発な女性。たまには女の子らしくおしゃれも楽しむけれど、動物が大好きで、ペットは巨大なニシキヘビです。文明から遠く離れたジャングルに住むことを嫌がるどころか、積極的に楽しんでいます。クラレンスともたちまち仲良しになってしまいました。

1965年制作。ストーリーは、まあ、とりたてていうほどのものではありません。東アフリカの野生王国の真ん中で、ライオンやゴリラが出てきて、密猟者が悪だくみして、最後は動物達が悪い奴をやっつけて、という、わりとお決まりのストーリーです。

でも、なにがすごいって、動物達がすべて実写だということ!なごやかなシーンだけでなく、人とヒョウが戦うシーンでさえも、最初から最後まで実写なんです。めちゃすごくないですか?

いくらSFX等の技術がまだなかった時代とはいえ、それにしても、よくもまあ撮ったと感心します。雄ライオンのクラレンス、チンパンジーのジュディ、ニシキヘビのメアリ・ルー、それから、野生のヒョウ、キリン、ゾウやゴリアの群れ、その他その他、ぜ~んぶ本物、生身の動物達。すばらしい。

もうこんな映画、今の時代には絶対に撮れませんね。

クラレンスの穏やかさ、マイペースぶりには癒されます。でも、密猟者のボスを見事つかまえたのも、そのクラレンスとジュディのコンビなんですよ♪お手柄お手柄👏

運転席に乗っているのはクラレンスとジュディ。引きずられているのは密猟者。

それにしても、愛しいクラレンス。こんなライオン、私もほしい!是非一緒に暮らしたい!

【キャスト】

  • マーシュ:マーシャル・トンプソン Marshall Thompson
  • ポーラ:シェリル・ミラー Cheryl Miller
  • ルパート:リチャード・ヘイデン Richard Haydn
  • ジュリー:ベッツィー・ドレイク Betsy Drake
  • ヘドリー所長:ヘドリー・マッティングリー Hedley Mattingly

監督:Andrew Marton
製作:1965年 アメリカ
音楽:Al Mack
92分 カラー

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米TVドラマ『Daktari』

上記『Clarence the Cross-Eyed Lion』の人気を受け、アメリカCBSがTVドラマ化。全89話も続いた人気シリーズとなりました(1966年~1969年)。日本でもテレビ朝日が「密林王国ダクタリ」「猛獣先生」Daktariとして放映しています。

毎回、なにかしら事件がもちあがります。大怪我や病気の動物を救ったり、山火事がおきたり、密猟者が暗躍したり、かと思えば大きなトラが持ち込まれたり。野生動物研究センターのマーシュ獣医師と助手のジャック、娘のポーラ、その他人間源たちは休む暇もありません。その、ドタバタ、アタフタ、忙しそうな人間たちの間を、巨大な雄ライオンのクラレンスがノソノソと歩き回り、悪戯チンパンジーのジュディが駆け抜けます。そう、主役はこのお二方、内斜視ライオンのクラレンスと、チンパンジーのジュディです。このふたり(二頭)の前ではどの人間俳優も色あせてしまいます。

麻袋を引っ張り合うふたり

いつもは悪戯ばかりのふたりですが、いざという時には、とても頼りになる相棒達でもあります。ジュディは人間には真似のできない身軽さで、人間には行けない場所に潜り込み、器用な指先でいろいろ手助けをしてくれます。クラレンスはのっそりとその巨体を現すだけで、悪い奴等は皆、泡を喰って逃げ出してしまいます。クラレンスはほんとうは誰に対しても超フレンドリーなライオンなんですけれどね。

そんなクラレンスでも、いよいよという時には、ポーラを守って別のライオンと戦ったりもします。ところが・・・ドラマ制作の裏話を読んだら、クラレンスちゃん、あまりに大人しい性格の為、ファイティングシーン等は作れず、仕方なく代役ライオンを使ったそうです。なんて可愛いクラレンス♡そのでっかい図体で、そうなの、そんなに穏やかなの♡良い子ね~~

動物が好き方、それも「作られた動物映像」ではなく「本物」が好きな方には、最高のドラマシリーズでしょう。もちろん、たしかに古い思想もチラホラ見えます。つまり、人種や性別や、さらに動物福祉に関しての古い考え方等。でも、半世紀以上前に作られた作品、その辺はまあ仕方ないと達観して、野生動物達との直なふれあいを大いにうらやんでください。

なお、「ダクタリ」とはスワヒリ語で「お医者さん」の意味。

【キャスト】

  • マーシュ:マーシャル・トンプソン Marshall Thompson
  • ポーラ:シェリル・ミラー Cheryl Miller
  • ジャック:エール・ソマーズ Yale Summers
  • ヘドリー所長:ヘドリー・マッティングリー Hedley Mattingly

1966~1969年 アメリカ CVS局
4シーズン 全89話

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